*服巻智子への講演依頼は以下の方法で!

<< 服巻智子への講演・機関コンサルテーション申込方法! >>

服巻智子への講演依頼および機関コンサルテーション依頼は、下記のメールアドレスよりお問合せいただくか、申込用紙をダウンロードしてファックスするか、どちらかの方法を選択してお申込みください。メールの場合も、下記のPDFの申込用紙をダウンロードして申込み時に必要な内容・情報をご確認ください。

お問合せ先 kouenirai_tomoko@yahoo.co.jp

*1週間以内に返信が無い場合は、再度メールください。
なお、個別相談はメールでは受け付けておりません。ご理解のうえ、ご了承くださいませ。

講演依頼様式のダウンロード (PDFファイル)

FAX送信先 0952-32-2105 *受付時間9:00~17:00の時間内にご送信下さい


2009年08月01日

魔女の宅急便と修行

昨夜、宮崎アニメの『魔女の宅急便』が放映されていましたね。

懐かしかったな。

初めて『魔女の宅急便』が公開されたのはいつのことだったろう?

あの映画を見に行って、「魔女になる!!」「魔女になりたい!」と言い出した高機能のASDの子どもたちがいっぱいいました。

定型発達の頭からは、「まぁ、なんて夢みたいなことを」と思ったり、そもそも、自閉症の子どもの発言は、ときに詩的ですから、「子どもらしい夢だな」なんて、楽観的に受け止めがちなんですが、




彼らは本気でしたから、




本当に、箒にまたがって、2階の屋根から飛び降りてみたりした子がいたもんです。




何人か、怪我したなぁ。




ある女の子も、怪我をしました。
その子のIQは、聞いたことがないほど高くて、IQ170くらいじゃなかったかな。




ある意味、天才児。 




でも、ASD.

かんしゃくも激しく、微細なことのこだわりもすごかった。理屈っぽくてねぇ。

ある意味、育てにくさは数百倍だったかも。

周りの大人は手を焼いていましたね。




その子も箒に乗って飛んでみたら飛べなくて、骨折をしたんです。
しばらくベッドに縛り付けられ、泣きくれていました。




「私、KIKIと何が違うの?どこを間違って飛べなかったの?箒が違っていたの?でも、Kikiは、デッキブラシでも飛べてた」 と、乾かぬ涙を拭きながら聞いたんです。「私、ぜったいに、魔女になりたいの」




それで、母は、「魔女になるには修行しなくちゃね。ほら、Kikiも修行に出たじゃありませんか」




「あ、ホントだ。どうやって修行すれば良いの?」




母、「お母さんも魔女じゃないからよくわからないけど、こういう修行をやってはどうかしら?」と。




母が提案した‘修行’は、 掃除、洗濯、料理、買い物、片付けなどなど。




そこはASD. 手順書があれば完璧にこなし、1年も経たないうちに、母はいなくても家事はすべてできている、そんな子どもになりました。



そしてまた、そこがASD



興味関心のアテンションはすでに別物にうつり、「魔女になりたい」強い思いは去り、魔女にならなくても良いのだけど、掃除、洗濯、料理、買い物、片づけをする生活ルーティンはすでに確立。

将来一人暮らし、あるいはグループホームで暮らすための基本的生活習慣は確立してしまいました。



「そんな夢みたいなこと言わないの!」と叱らずに、現実離れした夢を強い動機として、HFAにありがちな苦手だったり取り組みたくなかったりした生活スキルに目を向けさせたお母さんの機転は、素晴らしかった。




そんなこともあったなぁ。




その女の子もすでに成人を過ぎ、支援を受けながら地域で落ち着いた生活をしています。

魔女になりたかったことがあったことなど、とっくに忘れて。

いや、失礼! 自閉脳は忘れることは無いんだけど、思い出すことも無いだけですね。

だって、彼らは常に前を向いて生活しているから。彼らの脳は、‘今’と‘今の次のこと’が中心の関心ごとであることが多いのです。

だから、過去は振り返らない(ネガティブすぎる過去はフラッシュバックするが)、未来は想定が難しい(または現実離れしすぎた想定に不安になることも)。





あの頃、日本中で ジジという名の猫も、増えましたよね。。。face03





夕べは全編通して見ることはできませんでしたが、最初と最後のユーミンの曲のところは、どちらもロールのところですが、見ることができました。あの映画を見たときに、大好きなユーミンの曲がこんな風にこの映画にマッチしているところにも、いくばくか感動したことも思い出します。




音楽と共に、優しい記憶が呼び覚まされ、少しだけほんわか気分に浸ってました。





同じカテゴリー(ASDの話)の記事画像
アダムADAM
同じカテゴリー(ASDの話)の記事
 ASDの指 (2009-10-16 17:13)
 13歳の少女の思い (2009-08-04 20:17)
 般化は弱点なんです (2009-08-04 09:45)
 アダムADAM (2009-07-29 08:19)
 ASDの成人支援~キムの場合 (2008-07-04 20:18)
 The Best House 123(フジTV) (2008-07-03 08:35)

Posted by Tomoko at 07:07│Comments(5)ASDの話
この記事へのコメント
 魔女の宅急便といえば、今から20年ぐらい前に公開されたと思います。
 ジブリ作品はどれも観客に夢と感動を与えながら、世の中にメッセージを発信している。というのが自分の作品に対する印象です。
自分の母校では校舎の二階から飛び降りる人はいなかったですけど、自分自身が将来は空を飛べるようになりたいと思ったことはありました。空を飛べれば渋滞にならないですむから…。(笑)
 子供の時の夢はプロゴルファーになろうと思ってました。理由は近くにゴルフ場があった事。今からは接客や対人関係の向上に力を入れながら、仲間を増やして支援チームの形成に貢献できるよう努力します。
Posted by くろやん at 2009年08月01日 08:02
なぜか漫画(アニメ)は見ない子供だった。

キーハンターやウィークエンダーを視聴する方を好んだ。特に再現フィルムを…。

人より大分遅く、漫画を読み始めた俺の憧れの対象は、”ゴルゴ13”だった。

射撃の腕を上げる為、自衛隊に入ろうと思った。

入って気付いた。「もしかして”今”戦争が起きたら、どっかの誰かの命令で、個人的に恨みのない人を殺さなくてはいけないのではないのか?」

なぜ自衛隊に入ったかの動機も忘れ、10万円持って脱走した。

大阪に2泊し、高速バスで東京を目指した。名古屋で乗り換えたバスの中で欠伸をしたら、生まれて初めて顎が外れた。慌てて叩くとコキッといって入った。

新宿へ着いた。当時の新宿は怖かった。すぐに大阪に帰った。

派遣ホストの面接にいった。入会金3万円払い、寮へ案内された。公団住宅の8階にあった。

その晩寝ているとサイレンが聞こえた。窓から見下ろすと、消防車2台から梯子がこちらに向かって伸びているのが見えた。

走って逃げた。死ぬ恐怖を感じた。

3階でボヤだった。

ついでに派遣ホストクラブも、金持ちの息子向けのお客トラブル損害請求詐欺だった…。貧乏人は詐欺師にさえ相手にされなかった(実害3万)。

1週間後、突然目の前に親父が現れた。心臓が停まりかけ、目を閉じた。

目を開けた。親父はいなかった。幻覚だった。

犯罪逃亡者の気持ちが少しわかった。

残金が、帰宅に必要な運賃と同額になった時、俺の『ゴルゴ13』への修業は終わった…。

To be continued.
Posted by ハンサムな資産家 at 2009年08月01日 09:34
この旅の最後の数日間で、自宅の電話番号と同じナンバーのそれぞれ異なる車を3回見かけた…。

何らかのメッセージだったと今では思う。

すいません、また不穏当な漢字を使ってしまいました。


もしかしたら俺はASではなく、IQの低い定型発達のヘンタイなのかもしれない…。

子供時代でさえ、魔女より間男に憧れていたから。
Posted by ハンサムな資産家 at 2009年08月01日 10:03
Tomoko先生~:・:・いいお話ありがとう!!ございます!

今の時代に子供だったら やはりほうきにのって魔女になりたい!とおもったかもしれません
訓練や大恥!の連続で個々の家事はできるようになり、料理はハマるほどではありますが、全体をバランスよく適度にやることやほかの生活との兼ね合いは殆どうまくいかず今後の大事な課題であります
天使の輪が頭に乗っているよ!と言われている 大人のASD当事者より
Posted by ナルヲ・ディープ at 2009年08月01日 12:14
 

実は『魔女の宅急便』を一度も見た事がない…。

俺の場合、もし観ていたら、”宅急便”のほうにこだわり、クロネコに入社していたと思われる。
Posted by ハンサムな資産家 at 2009年08月01日 22:43
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。