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2012年05月10日

大阪維新の会の家庭教育の条例案撤回に思う。

大阪維新の会の家庭教育に関する条例案のことで騒ぎになっていますね。白紙撤回になったようですが、「親学」の高橋史郎氏も反論の声明も出されているようです。

実は、4月の始めに、ある県のある県議から電話をいただきました。その方とは数年前にとある研修会を通して知り合いになっていただけですが、当初から発達障がい関連の支援に強い興味を示しておられました。それで、その後、その県の発達障害関連の講演会にお招きいただいたこともあります。

その方が、先日、議員たちの全国的な研修会に出席したところそれは「親学」の研修会で、そこでは発達障がいだけがテーマではなかったものの「親の育て方」自体に発達障がいの発症の原因があるかのような語られ方をしていて、逆に言えば「親の育て方を変えれば発達障がいは防げる」との誤解を与える内容だった、と非常に強い懸念と憤慨をされていて、それで自分のもともとの理解を正したいと思い電話をかけて来られた、という経緯でした。
もしかしたら、その議員団研修会の時の親学の講師の方は、親の育て方が原因で発達障がいになる、とは言明されなかったかもしれないけれど、初めて聞く聴衆にはそのような誤解が発生するような話し方だった、ということもおっしゃっていました。
その場で、小グループで議論の時に、ご自身の意見として誤解を正すための意見をおっしゃったけれども、すでに通用しないほどの「親を変えよう」という空気の盛り上がりようだった模様です。そのことに「危険」な空気を感じ、自分の感じたことや知識が間違っていないか確認したくなったし、「危ない」と感じたことをシェアしたくて電話をかけたとおっしゃっていました。本当に、これは違うよ間違ってるよ、と思ったそうです。「服巻さんのいる佐賀県から来た議員にも言ったんだけど、その人、服巻さんのこと知らないみたいで、発達障がい理解について、話が通じなかったのです」と、悔しがっておられました。

私もびっくりして、議員さんたちの間にそのようなことが「常識」として広がっては困りますね、と申し上げたところ、「今は議員の間に親学が主流となりつつあり異なる意見を主張するには時機を見る必要があるようだ」とおっしゃっていました。

4月の始めの事でした。(hidari4月6日に帰国したので、その後ですから、4月半ばだったかも。。

そのような議員さんがいらっしゃったことにホッとしますが、こともあろうに代議士同士の間で意見が言えないほどの盛り上がりって、ファシズムかと思いますよね。その時にその議員さんが感じた「危ない」空気、今思えばその直感は正しかったわけですが、それが今回の大阪維新の会の条例案起案につながったのか、と思うと、なんだかゾッとします。大阪維新の会は、ちゃんと当事者たちや反対意見の専門家たちの研究などのリサーチをした上での確信をもった起案ではなかったことは、今回の騒動で把握できましたね。

私自身は「親学」そのものについて意見を述べるほど知らない(「親学」は発達障がいを専門とするものでもなかったと記憶しています。昔出会った方で親学に傾倒していた方がいて、その方との会話を思い出しているところです!)のでそれに対する意見は避けたいのですが、今回の騒動の結果、短絡的に親を責める空気だけは無くなってほしいですし、そのような法案を起案するような空気も無くなってほしいと願います。

反対意見や行動をした方々も、いろんな面で辛い気持ちで行動を起こされたと思います。強い反対意見や行動は、その人自身を見られるものだから、単なる怒りだけでの行動ではなく、「守るべきもの」のために立ち上がる勇気は大変なものだったことでしょう。
また、法をつくる議員さんたちも人間だから間違いはあると思いますので、大阪維新の会も、きっと思いは「良かれと思って」のことだったのでしょうし、そのもともとの「役立つ法案」とか「より良くしたい」の思いが、本当に世間や社会に役立つものとなるよう、起案の道筋にかかる軌道修正を望みます。そうすれば、良かれと思って起案すること自体は悪い事ではないので、起案の道筋に丁寧さがあれば、お互いにこんなことにはならずに済むと思うのです。



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Posted by Tomoko at 06:11│Comments(4)時事
この記事へのコメント
この記事の閲覧数が急激に伸びているのに少しびっくりしています。この議員さんは、大阪の人ではありません。政党もどこか覚えていません(スミマセン、あまり気にしていないもので覚えられません)。また、お電話いただいたのは4月始めでしたが、その研修会が4月だったかどうかは聞いていません。

今回のことで、日本中の親たちが何重にも傷つきましたよね。

親学だって、良いところもあるし、まじめに取り組んでいる人たちもいて、その方たちも傷つかれたことでしょう。

大阪維新の会も、その政党としての幼稚さが曝け出されてしまって、懸命な気持ちの党員の方は傷ついたことでしょう。

誰にとっても良いことはなく残念な結果でしたね。撤回して正解と思います。
良い点・世に必要な点があれば、仕切り直しをなさると良いのでは。
Posted by TomokoTomoko at 2012年05月10日 15:04
「親学」については以下のリンクをご参照ください。
議員個人の思想と利権に直結した真っ黒な問題です。

トンデモ教育論「親学」を推進してる人たちの話 - 俺の邪悪なメモ
http://d.hatena.ne.jp/tsumiyama/20120504/p1

お父さんの[そらまめ式]自閉症療育: 「親学」問題について、とりあえずのまとめ。
http://soramame-shiki.seesaa.net/article/148395530.html

大阪市「育て方が悪いから発達障害になる」条例案について - lessorの日記
http://d.hatena.ne.jp/lessor/20120502/1335985207

たとえ85000回読まれたって - lessorの日記
http://d.hatena.ne.jp/lessor/20120506/1336325304

発達障害に直接関係のない人も「親学」について考えてみてほしい - ベムのメモ帳Z
http://d.hatena.ne.jp/bem21st/20120505/p1
Posted by k at 2012年05月10日 17:37
服巻先生、ご無沙汰しております。コメントありがとうございました。とてもうれしかったです!

多くの方に読んでいただきたくて、Twitterで、記事を紹介させていただきました。

「何重にも傷ついた」というのは、本当にそうですね。
大きな波紋が広がると、前から後ろから、色々なところから銃弾が飛んでくるような衝撃があります。

無知から来る偏見・差別は、現在していて。
今回の事件は、それがさらけ出された「だけ」とも言えます。
「発達障害」なんて、関係ないと思っちゃえば、関係ないで済みますからね。

ぐったりとしています。
でも、
この記事を読んで、服巻先生のやさしさに触れて、ひと息つくことができました。

ありがとうございました。
Posted by カイパパ at 2012年05月10日 22:05
何度か講座にも参加させていただいて、服巻先生の大ファンの、ASDの子どもをもつママです。

今、川村美紀さんの『地方公立高校でも「楽園」だった 再生のためのモデルケース』という本を読んでいるところです。

この本と、今回のことを考え合わせると、政治家が、なんらかの強い信念(や、思い込み)をもって、急進的にことに当たることの恐ろしさを、考えさせられました。

そして、自分自身について考えた時、私達親も、発達障害への理解を!という強い信念をもって行動しているわけですが、違う視点をもつ人、違う信念をもつ人の意見にも耳を傾けるだけの心のゆとりというか、謙虚さ、柔軟性みたいなものを持っていなくてはいけないなぁと、自戒をこめて感じた次第です。
Posted by いく at 2012年06月02日 23:58
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