*服巻智子への講演依頼は以下の方法で!

<< 服巻智子への講演・機関コンサルテーション申込方法! >>

服巻智子への講演依頼および機関コンサルテーション依頼は、下記のメールアドレスよりお問合せいただくか、申込用紙をダウンロードしてファックスするか、どちらかの方法を選択してお申込みください。メールの場合も、下記のPDFの申込用紙をダウンロードして申込み時に必要な内容・情報をご確認ください。

お問合せ先 kouenirai_tomoko@yahoo.co.jp

*1週間以内に返信が無い場合は、再度メールください。
なお、個別相談はメールでは受け付けておりません。ご理解のうえ、ご了承くださいませ。

講演依頼様式のダウンロード (PDFファイル)

FAX送信先 0952-32-2105 *受付時間9:00~17:00の時間内にご送信下さい


2014年03月24日

発達する発達心理学-発達心理学会に参加して



週末は、日本発達心理学会に参加していました。ラウンドテーブルで話題提供、そして、ポスター発表をしました。

話題提供は 「子どもの学びを支えるStructured TEACCHing」TEACCHアプローチにおけるアセスメントから指導計画への具体的プロセスについての紹介をする役割を担っていました。

ポスター発表は、佐賀市事業のASD超早期療育の実践の途中経過報告、みたいな内容。

今回の収穫は、発達心理学全体を俯瞰してみる良い機会になったこと。発達心理学は自分にとって重要な領域という認識はもちろんこれまでもあったのだけれど、ついつい、自閉症についての内容に集中してしまいがちになるのです。

いけない
いけない

ショプラー先生は常々「定型発達の子供の発達をよく知ることが、自閉症エキスパートとしての良い仕事につながる」とおっしゃっていたのですから。

と思い直し、数年前から「赤ちゃん学会」と「発達心理学会」にちゃんと参加して、最近の研究情報を得るように努めてきました。とはいえ、この「発達心理学会」はいつもなにかと重なったり、去年は直前に顔に大火傷して病院通いのため休んだりして参加できたためしがありませんでした。今年はやっと念願かなって参加できました。

いろいろ本当に勉強になり興奮の連続だったのですが、ここに記録しておきたいのは、京都大学の子安増生先生(発達心理学会理事長)の御講演を聞けたことと、招待講演のフェイ・シュー先生(UCバークレイ教授)の講演を聞けたこと!

子安先生は、Theory of Mindの日本への紹介でも良く知られていて、ASD臨床の者にとってはお名前を存じ上げないのは「もぐり」((^_-)-☆)。子どもの認知発達研究について概観する御講演で、定型児童の発達全体を俯瞰するという目的の私には、ぴったりの内容で、大変勉強になりました、という以上でした。頭の中の整理もできましたし、私の勉強の足りない領域も知ることができ、本当に拝聴できて良かったです。そもそも、実物を目の当たりにして、じかに御講演を拝聴できる、という幸せを噛みしめながら一生懸命聞きました。(とはいえ、直接お話をしたわけではないのですけど)。

シュー先生の御講演は、今本当に、私にとってタイムリーな乳児期の学習に関する研究分野を詳細におさらいしてくださり、その上、ご自身と仲間たちの最新の御研究=定型の子供の学習 についても、わかりやすくお話しくださり、大収穫がいっぱいありました。

「発達する発達心理学ー未来と創る」という大会テーマの意義深さが、心にしみわたります。

やっぱり!定型児の発達や学習は、自閉症を知る基盤である、という、ショプラー先生の言葉は正しかった!と、改めてその教えに感謝したことでした。もっともっと勉強したいと思いました。
初心にかえる、という新鮮な思いでいっぱいです。行って良かった。やっと参加できて良かった!

帰宅したのは、まだ明るい時間。最後のセッションも聞きたかったけど、いろいろ仕事もたまっているので帰宅しました。ほんの2~3日留守をしていた間に、実家近くでは土筆(つくし)がいっぱいニョキニョキ。

犬の散歩がてら、土筆摘みをながら、今回勉強できた幸運を振り返っていました。
  

Posted by Tomoko at 04:45Comments(0)海外研修報告

2011年06月26日

時代が変わるとき

デトロイトからシカゴ、乗り継いで、今、サンフランシスコです。ここから羽田に飛びます。
シカゴからサンフランシスコまではゆうに4時間を超える飛行。初夏のジメジメと雨続きで閉口していたミシガン大学のキャンパスとは打って変わって、シカゴからは好天気。飛んでいる最中に、『カリフォルニアの青い空』になっていました。アメリカは広いから飛行機移動も多く、窓の外に何機もすれ違ったり一時平衡飛行になったり、すごい眺めだなあと感心。まだ雪を抱いたヨセミテやマウントレーニエ等の国立公園の真上を飛んで、サンフランシスコにたどり着きました。まだ体力、大丈夫そうです。

今回正式に発表になったこととして、UMACC(ミシガン大学の自閉症研究センター:ADOS&ADI-Rの本拠地)の研究部門が閉鎖されること、ロード博士がニューヨーク郊外に、コロンビア大学とコーネル大学共同出資の新しい研究機関を開設されることになったこと、実はこれは去年から決まっていたこと(私たちは3月の研修の時に聞いていましたが、正式発表まで黙っていました)、今後のADOSのリサーチ資格取得はもっとワイドレンジで行われることになること、など等があります。ADOS2(乳幼児バージョン含む)とADI-Rの乳幼児バージョンがまもなく発売になるなど、自閉症診断のゴールデンスタンダードとして金字塔を築き、ある意味、自閉症研究の時代がもう移り変わっていく時が来たのだと感じます。UMACCはその役割を終えたのですね(実践部門は残ります)。また新しい時代の幕開けが来るのだろうと思います。しばらく支援システムや技術。方法論について活発に発展してきたので、これからはもっともっと今以上に神経生理学的研究分野(脳科学含む)や遺伝子の分野や胎生時期研究の分野が展開しそうです。またまた ”治癒cure” の話題が復活したりして。

一昨年にはTEACCH部の大変革(~今も続いていますけど)が始まり、UMACCも。時代は変わるのは当たり前で、人は同じところにとどまっていないものです。とどまっていても良いけれど、発展することを選択するならば、それは変化になります。定型発達は、ある意味、変化を求めるものなのですね。

2月にNASのとても大きな研究集会に参加したとき、NASの会長が言っていました、『こんな今だからこそ、本当の意味でのプロ、専門性、ベストオブエクセレンスが自閉症支援の世界には求められているのだ!』 その通りだと思います。だからこそ、こんな歳になっても人生の締めくくりに研究をきちんとしたいと思うのでした。

さて、もう少しここで書き物やら読み物やら休んだりして、羽田行きの出発時刻を待ちます。

  

Posted by Tomoko at 09:00Comments(0)海外研修報告

2011年06月24日

日本から来た方々との交流

一番ハードな部分は終わりました。

それで、日本からの他の参加者の方々と、親睦を兼ねてお夕食をご一緒させていただきました。



大阪大学大学院で研究なさっているW先生(静岡県の現職の先生です)と、浜松医大の若い精神科医のK先生。
ご一緒に、ものすごくアメリカンなレストランで、お互いの健闘を讃えあいました。
お二人ともとても気さくなお人柄で、研修も山場を越えたところだし、なんかとっても和むひとときを過ごしました。W先生、K先生、ありがとうございます。

W先生はあと1週間ほど残って研修を、K先生と私は明日最終日が終わり次第、帰国します。
  

Posted by Tomoko at 12:09Comments(0)海外研修報告

2011年06月22日

3日めが始まります。

昨日までは講義と実習=トレーナーが実施する検査を実際に見てスコアリングする実習、そして、スコアの合致率を見ていく実習でした。それにこの入門編は2回目の受講で、少し見通しはありました。嬉しいことに合致率も悪くはなかったです。

でも、今日からは、自分が実際に検査をしながら記録を取り、そして、スコアリングし、トレーナーとの合致率を上げていく、というハードな内容となっています。しかも、英語。

あまりのハードルの高さに身震いがしますが、自分で決めて進んでいく道だし、自分にとってはこれから研究者として歩むためには避けて通れない内容=必須項目だし、残りの人生のための新境地なので、精一杯頑張りたいです。

不十分だけど宿題もしてきたし、行くっきゃない!

では、3日め、行ってまいりま~す。


  

Posted by Tomoko at 19:22Comments(0)海外研修報告

2011年06月22日

2日めが終わりました!

2日めが終わりました。
昨日も今日も、早速、実際のライブの検査の様子を見てスコアリングし、トレーナーたちのスコアリングとの合致率を鍛えられました。

グループに分かれて話し合ったりするのですが、大変に厳しいです。
もちろんだからこそ学べるし、自閉症の症状の複雑さを思えば、このくらいのトレーニングがないと、診断が怪しくなるという考えは理解できます。

でも、その分、へこたれないで合致率を上げるための努力を続けていると、ものすごく力がついていくのも自分でも感じるし、自閉症の多面的な部分や発達による違いも判別がつくようになり、理解が深まりますね。

明日からはさらに厳しいスケジュールとなっています。予習が肝心。でも、ちゃんと睡眠をとらなければ。

写真は、同じ宿に泊まっている仲間(になった)たちです。みんなそれぞれメンフィスやらデンバーやらコネチカットやら、遠方からです。


日本から、私以外にもいらっしゃいました。今夜はご一緒にお食事しました。
情報交換できてよかったです。

  

Posted by Tomoko at 10:34Comments(0)海外研修報告

2011年06月21日

ミシガン大学2日めの朝です。

ミシガン大学での研修第2日めの朝です。
夕べはほとんどごろごろして過ごし、身体を休めるように努めました。睡眠もかなりとれたので、今日は朝から爽快です。昨日の成績も悪くはなかったので気分が良いですが、気を引き締めて今日の研修に取り掛かるつもりです。

ミシガンは北部だから涼しいかと思ったら、結構ジメジメしています。風邪をひかないよう気を付けよう。

今日は幼児さんのASD診断の研修です。

ASDは、発達年齢によって症状が変化するし、したがって、診断の観点も変わるので、こういった研修はとても大切です。日本でもできるようになると良いのに、と思います。

  

Posted by Tomoko at 20:05Comments(0)海外研修報告

2011年05月21日

TEACCHメイカンファレンスが終わりました。

またもや素晴らしい研修会でした。

私にとってはとても勉強になりましたが、多忙でもありました。

今は金曜日の夜でして、土曜日の朝、といっても、あと数時間後には、帰国便に乗ります。

旧交を温める機会でもありました。勉強した新しい内容については後日記事を書くことができれば、と願っておりますが(時間が取れるか問題ですが)、今はTEACCHの仲間と心温まる時間を過ごすことができたことにも感謝したいと思います。


シャーロットTEACCH所長のジョイスとダグ。彼らは来年夏に佐賀に来ます。


TEACCH部に多大な貢献をしたキャシーは、優秀スタッフ賞を受賞。彼女が⑤デイトレーニングのモジュールを作り、テキストを作成したのです。初代TEACCHサポーティッドエンプロイメント部長で、重い自閉症の人たちの就労支援の基礎を築きました。彼女の貢献度は言葉では表せないほどです。子どもたちも大きくなって。。佐賀にも来てくれた彼女のことはまた書きます。


アッシュビルTEACCH時代にとてもお世話になったギャリーンは昨年引退しましたが、このたび、貢献したスタッフの賞を受賞!!! 私も感激しました。


Boysが揃ったところ。ダグ(シャーロットTEACCH)とスティーブ(フェイアットビルTEACCH)はどちらも佐賀に来てくれたことがあります。

  

Posted by Tomoko at 17:38Comments(0)海外研修報告

2011年05月19日

TEACCHインサービス2日め

TEACCHインターナショナルインサービスの2日め。

今日はTEACCHの構造化を取り入れたモンテッソーリ教育法(特に、数概念・計算概念の教え方)の研究報告(NC州東海岸の中学校の先生)や、遅れのある自閉症の子どもたちへの読み書きの教え方(ティシャ:テキサス)、高機能で通常学級に在籍している生徒たちへの具体的支援方法(スー・カーター:ガスとニアTEACCHセンター)、そして、高機能生徒のための自閉症特化カリキュラム(ウィルミントンTEACCHセンターとニューハノーバーカウンティ高校)について、さらには、ドーンが強度行動障害自閉症青年たちのための成人サービス(GHやアパート支援、就労支援など)についての最先端の実践について、そして、昔からTEACCH部との連携関係にあったイスラエルにおける支援制度の変遷と親支援の在り方についてイスラエルからの報告がありました。

毎年来ていますが、具体的支援方法や制度デザインの基礎的情報、最新情報が学べます。


そして、一緒に来たそれいゆスタッフ達と、シャーロットTEACCHセンターのルースを囲んで記念撮影。
懐かしかったね。嬉しかった!


本当に久しぶりの再会。イングランドの自閉症学校の校長のシャーリー。彼女は数年前に佐賀で、5デイトレーニングのトレーナーをしてくれたことがあります。


テキサスのティシャも、佐賀に5デイトレーニングのトレーナーとして来てくれたことがあります。
素晴らしい実践家で教育家です。


モンテッソーリとTEACCHの見事な融合実践報告をした中学校特別支援学級の先生


*シャーロットTEACCHセンターのジョイス博士とルースは、来年夏に、佐賀でTEACCH5デイトレーニングを開催していただくために再来日してくださることが決定しています。
良かった良かった。  

Posted by Tomoko at 16:01Comments(1)海外研修報告

2011年05月18日

TEACCHインサービス1日め

TEACCHインサービスの一日めが終わりました。TEACCHインサービスはTEACCH部で研修したことのあるTEACCH外の専門家向けの再研修の機会で、一年に1回この時期に開催されます。私は始まってからずっと毎年参加しています(家族の病気で休んだことありますが)。

TEACCH部からの連絡事項や新しい情報などの提供や研修があるばかりでなく、世界中の仲間たちとの旧交を温めたりネットワーキングを広げたりする良い機会なので、参加は逃せません。

一日めは、チャペルヒルTEACCHセンターのエリザベスがティーンエイジャーASDのための恋愛支援の一部や、ソーシャルスキルの新しい教授法をラーレーTEACCHセンターのセレステ(去年の優秀スタッフ賞受賞者)が指導してくれたり、アッシュビルTEACCHセンターのジョンがCBTのトニー・アトウッド開発のプログラムのうちのアンガーマネージメント(The CAT-Kitの一部となっています)を、視覚的構造化と組み合わせて実践した2事例を報告。すごく良かったです。


ジョンがツールボックスについて説明しているところ(掲載にジョンの許可いただいています)

  

Posted by Tomoko at 20:56Comments(0)海外研修報告

2011年05月18日

TEACCH インサービスに出席しています。

今日は、5月17日火曜日(アメリカ東海岸時間)。
今日から、TEACCHインターナショナルインサービスが始まりました。

今日の午前中は、ニューヨーク州のTEACCHのベテランであるバーバラの基調講演、その後は分科会に分かれたんですが、私はアッシュビルTEACCHの発表を聞きに行きましtが。トニーアトウッドのプログラムの応用実践について、特に、怒りのコントロールのCBTの適用についての発表でした。ジョンが発表しました。私は長年実践している内容だったので、少しコメントさせていただきました。

午後は、どこに行こうかな。

また書きますね。

  

Posted by Tomoko at 02:00Comments(0)海外研修報告

2011年05月17日

自閉症の国際学会中です。

先週の水曜日に日本を発って、木曜日から土曜日まで、サンディエゴで開催された International Meeting for Autism = IMFAR に出席して勉強していました。IMFARに出るのはこれで2回目です。一昨年のシカゴでの会に参加し、基調講演がDSM5についてだったのがとても感動でしたが、一方で、新型(豚)インフルエンザの流行で、渡航中も帰国後も、保健所に報告義務などがあり大変でした。昨年は、TEACCHのメイカンファレンスと日程が重なったので、メイカンファレンスの方に行きました。今回は両方です。

3月初めのイギリスの学会で出会った方々にも会えました。今回は、さらに国際色豊かになっていたと思います。
佐賀の仲間と一緒に参加できたので、さらに楽しい研修となりました。その報告はまたどこかで(なんTERAハウスで?)お話ししますね。

終わってから昨日、チャペルヒルに移動してきました。明日からのノースカロライナ大学のインサービストレーニングとメイカンファレンスに出席するためです。

新しい情報が満載で、今、頭を整理しているところです。


  

Posted by Tomoko at 13:25Comments(1)海外研修報告

2009年05月21日

JALは全員マスク

Tomoko@成田です。

3時間前に到着し、数々の電話やメールへの返事を出すなどの仕事していました。

シカゴで搭乗した時、事前情報にあったように、JALの搭乗員は全員マスクをつけていました。



マスクをしていても笑顔の輝く、キャビンアテンダント(CA)サン達!

到着後、検疫はかなりスムーズでした。

ようやくうちに帰れます。


-----

この写真は、いつものチャペルヒルでの会食の様子。



いつもチャペルヒルに行くと、メジボブ先生とデンマークのヴァンドボルグ博士と私は、何かしら口実を見つけては食事やおしゃべりの時間を持ちます。今回は、高知のH先生を同伴。私は一番奥。見えるかな?

ヴァンドボルグ博士のところは、世界ではじめての自閉症バリアフリー建築を果たし、1990年代の半ばに、ヨーロッパ建築学会で表彰されたりしています。私は彼のところで学んだことを、日本のいくつかの機関、私がコンサルテーションをさせていただいている機関の新しい建築物に取り入れてもらいました。千葉のしもふさ学園、熊本のくまのこ園、福井県の機関、函館のつくしんぼ学級などなど。どこがどう自閉症バリアフリー建築なのか、いつかお話できれば。でも、国内のどこも、ヴァンドボルグ博士のところほどは徹底できませんでした。一番徹底したのは、くまのこ園とつくしんぼ学級かな。。その理由は、文化や風土の違いによるところが大きいと思っています。


今回、ヴァンドボルグ博士には、いつも以上にお世話になりました。
というのは、モントリオールのイザベル・イノー博士のところで教えてもらった性教育の教材は、なんと、世界中探してもデンマークにしか売っていない、ということが判明したので、事前にヴァンドボルグ博士に問い合わせたら、ご親切にも運んできてくださったんです!

「Tomoko,,重かったよ~~~」っと、愛らしい笑顔で渡してくださいました。

この著者が、ヴァンドボルグ博士の親友だったんだそうなんです。だから、私が探していると知り、むしろ嬉しかったと言ってくれました。

私はそれいゆ開設当初から性教育に力を入れていますが、この教材を得たことで、またパワフルに内容を深めることができる気がして張り切っています。

-----

ところで~~~~、今回はサプライズがありました。

JALの機内サービスのCAさんの一人が、私の子どもの頃からの同級生だったんです!!!

以前は福岡空港を拠点にしていたのは知っていましたが、いつのまに国際線に移ったの???

三田川小学校・三田川中学校・神埼高校まで一緒で、ずっと同じバスケット部でした! 

彼女も勤務中だったんで、休憩時間を教えてもらってその時間に、お客さんたちの邪魔にならないところでこっそりおしゃべりして、とっても楽しいひと時でした。今年の夏は、一大同窓会があるのですが、お互いそれにいけるか微妙な状態。

会えて嬉しかったなぁ。

では、あと1時半ほどで、福岡行きに乗ります。

  

Posted by Tomoko at 18:11Comments(2)海外研修報告

2009年05月21日

自閉症研究最前線~カリフォルニア大学デービス校

UCデービス校に行ってみて、本当にびっくりしたのは、大学付属の子ども病院やら、小児がんパークやら、子どもの医療の研究が大変充実していたことです。

その上、42億円もかけてつくられた、自閉症だけを研究するMINDインスティテュートもありました。ADHDの研究も脆弱X染色体の治癒に関わる研究も最先端です。

このMINDインスティテュートでは、遺伝子研究、薬物研究、脳科学研究などが行われているうえで、それらの研究を踏まえた治療教育が開発されています。

いろんなことを深く学ばせていただきました。診断場面、0歳児からフォローをしている子どもたちのフォローアップ評価はサリー・オゾノフ教授が見ながら解説もしてくださいました。オゾノフ教授からは先週、自閉症の超早期発症と退行のメカニズム研究の最先端情報をお聞きしたばかりでした。それに、兄弟時フォローアップ研究の対象児のセッション、親訓練。そして、生後12ヶ月からの指導のあり方などなど。尽きることはありません。

その詳細情報についてはまた、どこかでお話させていただくことがあれば、と思います。

いよいよ帰国です。

日本は、新型インフルエンザの騒ぎは収まったでしょうか?

私も、イソジンガーグルを持参し、毎日朝晩ちゃんとうがいをし、外から部屋に戻った時は必ず石鹸で長く手洗いをしていました。マスクも使い捨てられるように30枚以上持参していたんですが、こちらの方々に怖がられるので、使用は止めておきました。その代わり、衛生には気をつけました。日本国内の混乱状況は、アメリカでも有名になってます。

私としては、同行のMドクターやHドクターがインフルエンザに効くお薬を持っておられたので安心でした。もちろん、私もいろいろとお薬を持参していたんですけど、市販のものでしたので、先生方がご一緒で心強かったです。

こちらはいたって平静ですが、同じ機に乗る乗客の皆さん、成田でどうなるかということを口々にお話されています。私も腹を据えて覚悟して搭乗します。日本国内に入る時用のマスクもちゃんと準備しています。なんだか、こちらにいるより、日本に行くほうがずっと怖がられている?感じを受けたりなんかして。。


Tomoko@シカゴ 今から成田行きに乗ります。
早く日本に戻って、今回学んだことを、それいゆのスタッフと共有したり、自分の実践に生かしたいです。
  

Posted by Tomoko at 00:33Comments(3)海外研修報告

2009年05月20日

シュワルツェネッガー知事とサクラメント

ご無沙汰。
先週、ノースカロライナ大学TEACCH部が毎年行っている、第30回TEACCHメイカンファレンスに参加して、土曜日に高知のHドクターと共にメジボブ教授やヨーロッパの研究者たちと会食、その後、カリフォルニア州のサクラメントに移動していました。

でも、サクラメントで泊まったホテルのワイヤレスインターネットアクセスがうまくいかなくて、今日まで書けませんでした。
今、すべての研修を終えて、サクラメント国際空港で、これを書いています。このあと、サンフランシスコに飛んで乗り換えて、シカゴに行きます。シカゴには明日朝到着予定。そして、明日水曜日のお昼発の成田行きで帰国します。ここは日本から17時間の時差。こことシカゴは3時間の時差。頭がこんがらがります(^^)。

サクラメントは、カリフォルニア州の州都だなんて、今回の訪問で始めて知りました。


偶然、ホテルのそばにあったんですが、カリフォルニア州議事堂です。
アーノルド・シュワルツネッガー知事はいるのかな?

議事堂の周りはすてきなガーデンになってて、バラ園もありました。


さて、ここ、サクラメントでは、カリフォルニア大学デービス校にあるMINDインスティテュートという自閉症の基礎研究では世界一の場所があります。遺伝子や脳画像のような基礎研究のほか、超早期発見・超早期療育でも他をリードしているところです。

ここの超早期発見と早期療育の第一人者が、先週も講演を拝聴したサリー・オゾノフ教授、そして、彼女の指導教官で今は上司のサリー・ロジャース教授です。このお二人と、そのもとで研究している数人の研究者たちのやっておられることを見せていただき、またディスカッションの時間をいただきました。その内容については、今はもう時間がないので、またの機会に。

これが、カリフォルニア大学デービス校の入口の碑。


そして、MIND Institute です。


自閉症の研究と療育だけに取り組んでいて、数え切れないほどの研究者(医学系、心理系、教育系)たちが働いていました。


さて、もうすぐ飛行機の時間です。

次はどこで書けるかな?

  


Posted by Tomoko at 11:32Comments(0)海外研修報告

2009年05月17日

自閉症研究最前線~TEACCH研修4日め

TEACCHでの研修4日めは、第30回TEACCHメイカンファレンスの2日目。

第1演者は、アラバマ大学自閉症センターのローラ・クリンガー教授。

生物学的自閉症マーカーとして遺伝子が発見されていますが、それが自閉症の脳構造や機能に影響を与え、その影響で、認知や思考が違ってくる。その結果として、行動(コミュニケーション含む)が違ってくる。そのパラダイムの1つ1つのプロセスを科学的に解明するよう研究を続けています。

そして、自閉症における新しい情報の学び方の違いの証明、その違いは代償方法の選択の違いに関連し、また、学習方法の違いと脳機能の違いには関連があり、学習の違いはソーシャルスキルの指導方法も違ってくることに関連している。ということを、科学的に証明し、説明していました。科学的に、というのは、fMRIとアイトラッキングのハイテクを多用して、詳細に分析していました。

特に興味深かったのは、以下の点です。
学習には、「体系的学習」と「直感学習」の2つがある。定型発達では、体系的学習は前頭葉を使っており、直感学習は尾状角が起動する。しかし、運動や経験関連の直感学習の脳機能の比較研究では、定型発達は尾状角が起動し、ASDは前頭葉が起動している。すなわち、同じ問題に取り組む時でも、定型発達の脳と自閉脳では問題解決アプローチが違ってきて当然ということが、脳科学でも証明。自閉症の人は直感学習が非常に弱いので、体系的経験学習の方略を用いて直感学習の弱さを補うようにすることが効果的。平たく言えば、通常の子どもが教えられなくても直感で学んでいくことを、1つ1つ丁寧にルール化して教えてもらわないと理解できない。という、日ごろ自閉症の支援をしている人が経験的によくわかっていることを、脳科学で詳細な説明ができるようになった。

言葉の学習のうち、音声言語の音のつながりや表情を読むというスキルは直感学習。直感学習は、生後12ヶ月までに始まっており、超早期に伸びた部分は生涯安定して失わずにそのスキルレベルを維持できることが証明されている。すなわち、言葉の学習と対人関係の基礎はこの時期であり、この時期に伸ばすことが必要ということ。

その研究結果からも、言葉やソーシャルスキルについての指導法についても詳細を話してくださいましたが、これについてはまたの機会に。

保護者へのメッセージとして、たくさんの脳画像を見せて自閉脳の動き方の違いを証明してから、「そのくらい言わなくても、わかりなさい」というのは、無理難題だということをわかってあげて欲しい。丁寧に根気強く教えましょう、と、おっしゃっていました。


第2演者は、この世界では知らない人はいない、サリー・オゾノフ教授。
カリフォルニア大学デービス校にある、MIND Instituteからお越しになっていました。

演題は「自閉症の特性は、いつ、どのように始まるのか」
2つのタイプの発症の仕方。1つは、かなり早い年齢における違いが目立つようになること。2つめは、退行現象。

オゾノフはほとんど毎年このカンファレンスでプレゼンテーションをしておられますが、今回は、退行現象について詳細な研究を報告しておられました。大体生後12ヶ月前後からの研究です。退行がどのように始まるのかを膨大な数の協力者で追跡研究したのだけれども、結局、現在のDSMで示されているガイドライン(機能的な5語があってその喪失、対人スキルの喪失など)に当てはまらない対抗も多数観察されていること。退行と明らかに断じることのできる時期より前にも、普通に見えるこの言動に何かしら自閉症状が見られ始めていることも多いこと、そして、実は、本当に退行といえるのか早期発症なのか、厳密にわけることは難しいのではないかということなど。

退行の研究は、6月・12月・18ヶ月・24ヶ月・36ヶ月という兄弟時の追跡研究でも行われている。言えることは、ほとんどの退行の兆候は、非常にゆっくり忍び寄るような感じで起こるので、気づくのも遅れるということ。

診断があっても無くても、より効果的な接し方によって、脳内のシナプスのつながり方、学習ルーティンのでき方には当然違いが出てくるので、早期療育には意味がある。もちろん、治すということじゃなく、よりよく学習できるために。

であるから、親への接し方のトレーニングは、早く始めて早すぎるということはない。
小児医学界が推奨している、2歳までに『少なくとも』2回のチェックをする、というのは、非常に意味のあることなのです。
と、強調されていました。

自閉症研究のビッグスターの一人、サリー・オゾノフ博士。いつ見ても、ギリシャ彫刻みたい。


さて、TEACCHでの研修もこれで終わり。

今回の研修旅行のご一行は、


最後の晩に、皆で食べたものは、ノースカロライナ名物のグリッツとえび、ソフトシェル
私とミケダドクター、通訳の重松さんが食べたのは、グリッツとえび


守拙ドクターと重松先生(川崎大学)が食べたのは、グリッツとソフトシェル


ここで、重松先生とミケダ先生、重松さんとはさようならです。皆さんはご帰国の途につかれました。

私と守拙ドクターは、メジボブ先生とミーティングしてから、一路、カリフォルニアへ。

  


Posted by Tomoko at 17:58Comments(1)海外研修報告

2009年05月15日

自閉症研究最前線~TEACCH研修3日め

TEACCH部での研修3日め。

この日から、第30回TEACCHメイカンファレンスが始まりました。
開会挨拶はTEACCH部部長のメジボブ教授。いつもと同じく楽しい話でオープニング。

今回のゲストスピーカーは、またまたすごいです。

ジェラルディン・ドーソン博士、ローザ・ベネット博士、そして、ウェンディ・ストーン博士の3名。

第1演者のジェラルディン・ドーソン博士は、現在、自閉症の医学的研究では全米でも第1人者で、政府諮問委員、そして、世界最大の自閉症研究にグラントを出す財団Autism Speaksのリサーチ審査委員長。このAutism Speaksが、先週のIMFAR(国際自閉症学術学会)の開催母体なのです。ですので、ドーソン博士はそこでは開会挨拶をなさいましたので、そこでもお顔を拝見しています。そして今、TEACCH部のあるノースカロライナ大学で、精神科のリサーチ教授もなさっています。若い頃、ショプラー先生やメジボブ教授にこの大学でトレーニングを受けたとかで、戻って来れて感激だとおっしゃっていました。

著作が日本でも訳されています。「自閉症-その本態、診断および治療

もう情報量が多すぎて、書ききれないので、簡単に。

ドーソン先生のお話では、自閉症研究の最高峰のお話を、手短に、しかし明快に聞くことができました。

①まず、自閉症の原因に関する研究。
・遺伝子研究(いくつかの遺伝子の特定)、遺伝子の変異に関する研究、受精時の遺伝子コピーミスに関わる研究。
・脳機能というより脳細胞やシナプスの違いの話。脳内物質に関わる違いの話。

こういった原因や生物学的違いに関する部分を明確にしていくと、その違いによる発達の違いの表現や脳内物質の違いが、生物学的自閉症マーカーとなり、早期発見が可能になります。

②そこで、次は、早期発見について。
現時点では、ほぼ、生後6ヶ月~11ヶ月までの、行動上の違いによる自閉症マーカーは明確に示され始めています。
生後12ヶ月では、こう違う、とか。このあたりは、書き出すと長くなりすぎるので、何かの機会にご紹介します。

2年前に、全米小児科医学会が2歳までに2回の自閉症チェックをすることを推奨してから、徹底的に研究が進み、現時点では、生後18ヶ月と生後24ヶ月における早期発見ツールも次々と開発され、発表されています。

③早期に発見されたらどうするか。もちろん、早期介入・療育が必要です。

ここも時間をかけて詳しくお話いただいたのですが、かいつまんでお話しすると、早期発見した子どもたちの早期療育後の追跡縦断研究がなされ、発見・療育後も3歳時・6歳時・9歳時・12歳時と追跡して教育効果の違いに関する研究がいくつか行われており、その結果の紹介がありました。

早期療育で自閉症が治るなんてことはないけれど、自閉症の症状の軽減、特に知的レベルや対人関係力は、介入1年後には介入無しの子どもたちよりはその違いは明確に出ていました。脳内のシナプスのバランスよい繋がりが早期介入教育によって促進されることは間違いないのです。予後の状態、成人期の状態をより良いものに保つには、やはり早期療育は重要な鍵になるもののようです。超早期に介入したら、その成果は成人期まで維持できるという証明の研究についても紹介されました。

そして、今では、生後4ヶ月から適用できる早期介入方法も実践研究が進んで、実証が進んでいるということでした。

ジェラルディン・ドーソン博士です。知性のかたまりのような素敵な方でした。


第2演者のローザ・ベネット博士は、高機能自閉症の人たちにおけるノンバーバルコミュニケーションの難しさについての報告。

そもそも、顔の認知、すなわち、相貌認知の障害を持っている人がとても多いですよね、高機能の人たちって。
それもノンバーバルコミュニケーションのまずさに影響を与えているんです。

しかも、会話で使用される言葉バーバルコミュニケーションと、表情や動作によるノンバーバルコミュニケーションの2つを同時処理するということがいかに難しいか、これも脳科学で証明されていました。言葉だけの処理に、表情の処理が加わると、言葉の処理もそのスピードがスローダウンするということ。

などなど、多数の映像資料を交えてご紹介いただきました。

この件ももっともっと紹介したいことがありますが、この辺で。



第3演者は、ウェンディ・ストーン博士。演題は『早期発見の研究-過去、現在、そして未来』
彼女も、早期発見の第1人者です。RED FLAGというフレームワークで早期発見、24ヶ月未満の発見の研究を非常にプリサイスに行ってこられてます。そしてなんと、ストーン先生も、ノースカロライナ大学が母校で、ここで博士号を取得なさっていたのです。
現時点で判明している超早期発見にかかわる諸情報を詳しくご紹介いただきました。


研修はまだまだ続きます。。


今日食べたもの。ステーキです。



アメリカのステーキはとても美味しいですよ。こちらに来ると、赤身肉がいかに美味しいか、思い知らされます。
霜降りは身体に悪いですね。

上記のステーキで、大体1000~1300円くらいです。
安い!
  


Posted by Tomoko at 19:09Comments(2)海外研修報告

2009年05月14日

自閉症研究最前線~TEACCH研修2日め

今日は、TEACCH部でのインサービス2日めでした。

40代男性当事者のセッションと、ホームTEACCHingの効果検証研究報告、それと、問題行動への取り組みのための氷山モデルによるアプローチトレーニングの研修。ホームTEACCHingの効果検証については、長年の実践の積上げに基づいた『研究デザイン』の本格的リサーチで、わくわくするものでした。

氷山モデルアプローチによる問題解決アプローチは、スタッフトレーニングやコンサルテーションに使えるストラテジーで、ドイツのアナ・ホイスラーらが開発したものです。アナは、92年留学当時、アッシュビルTEACCHセンターで机を並べて助け合って研修したものでした。週末は一緒に旅行したりして、懐かしいな。その彼女も、いまや2時の母。ドイツで基礎を築き、仲間と自閉症支援機関を設立して、ドイツとスイスを基点にTEACCHの活動をしています。とても勉強になりました。


さて、アッシュビルTEACCHの仲間と記念撮影。昔と変わらず、皆親切。


今日から、高知の守拙ドクターが仲間入り。
みんなで、今度からTEACCH部が配置換えになった、新しい機関の看板を見に行きました。


これです。木々の向こうに見えているのが、前からある、TEACCH部の建物。でもTEACCH部という看板ではなく、


前から、AUTISM Centerです。
この看板は変わらないな。


さて、今日は、守拙ドクターの歓迎晩餐。
ノースカロライナBBQを食べに行きました。

豚なんです。カロライナバーベキューは。豚を丸焼きにしてほぐしたものに、独特のソースをかけて食べます。
煮豆が南部らしいですね。

   


Posted by Tomoko at 12:27Comments(2)海外研修報告

2009年05月13日

自閉症研究最前線~TEACCH研修1日め

今日は、TEACCH部によるInternational Inserviceの第1日目。

受付と看板です。



インサービスは毎朝軽食が出るんです。受付を済ませてから、ウェルカムブレックファーストの会場へ。世界中の仲間たちに再会するひと時。イングランドやデンマークやスウェーデン、ドイツから来た仲間たちから、「Tomoko、杖は?車椅子は?すごい!歩けるじゃない!」と大歓迎してもらいました。手術の効果!歩ける今に、感謝です。佐賀にも来てくれた事のある、テキサスのティシャやイングランドのシャーリーたちもいます。イングランドといえば、デビッド・プリースも健在で参加しています。

数年前に倒れたロジャー(TEACCH部の研修部ディレクター)とも挨拶して、お互いに今、身体が回復し始めていることに感謝しようねって話したところです。

もうとにかく、みんな、久しぶりで嬉しくて、朝ごはんどころじゃありません!


-----
まずは、TEACCHの新しい組織改変について紹介がありました。そう、それいゆも4月に組織改変したんですが、TEACCH部も同じ時期に組織改変なんて、ホントに偶然。TEACCH部は精神科にあったのですが、今度からノースカロライナ大学が新しく設立した、Carolina Institute for Developmental Disabilities の傘下におかれることになったのです。これまでも、そして、これからもTEACCH部の部長はゲーリー・メジボブ教授ですが、このCarolina Institute for Developmental Disabilitiesのディレクターは、ジョゼフ・ピヴン博士です。

それで、今回のインサービスの基調講演はピヴン博士(医学博士)でした。自閉症の脳科学研究・生物学的研究がお得意分野です。

「脳の発達期における自閉症の発現に関する研究はどこまで来たか。乳幼児期の自閉症マーカーを生物学的に探す。その最新情報」というような内容のお話でした。


お話のポイントは、①乳幼児期の脳の発達の様子に自閉症マーカーは見つけられるか ②遺伝子研究によって超早期発見につながる自閉症マーカーが見つかるか。などでした。 

研究の始まりは、カナーが自閉症の子どもたちの中には頭が大きい子が多いと記述していることを確認する研究から始まったとのこと。それは、2004年辺りから、頭囲の成長が統計的にも優位に大きくなるという研究がUCSDやその他の大学で次々と発表され、確認されていきました。

そして、現在確認されていることは、これはこの数年の学術発表の復習ともなりますが、
生後6ヶ月までは、頭囲や体積に、のちにASDと診断されるグループと、ASDを持たない障害児(MRとか)グループと、定型発達グループでは、差異はないが、生後6月を超えたところから生物学的な違いが内面で明確に発生し始め、生後12ヶ月ではさまざまな剖検でも臨床でも、各面における違いが明確になっている。ということ。

それらの話が、先週のIMFARでのいくつもの発表と重なるところが多く(当然ですが)、それで生後12ヶ月~18ヶ月での早期発見は可能である(現在でいう‘AS’含む)ということが多くの研究者たちの共通した意見として知られてきているのだとわかります。

遺伝子の活動における自閉症マーカーを追及する研究も、非常に細かく厳密に進んでいることも具体的に説明を受けました。セロトニントランスポーターとか。IMFARでも動物実験の発表は結構あったのですが、なかでもP-10という自閉症に大きく関係している遺伝子を抜いたマウスは社会性が低いということがわかっているとか。数年来話題に上っていた刈り込み遺伝子の起動のことなど。。

現時点における結論としては、
①遺伝子活動の研究と脳の発達超早期における自閉症マーカーが、こうした基礎研究の積み重ねで少しずつ明確になってきていること。
②それら自閉症マーカーを基にして、超早期にハイリスク児を発見しフォローアップし続け、もっと明確な自閉症マーカーをさらに見つけ出すこと。
③超早期にハイリスク児を発見してフォローしながら、よりよい介入をすることで、シナプスのつながりをうまく促進していくと、自閉症状が軽減されるであろう。その方法としては、生後1歳未満あるいは前後であれば、『日々の効果的な教育』が脳の発達に良い影響を与えるであろう。そして、『薬物』も、超早期の脳の適切な発達になんらか寄与する可能性がある。。かも。。。


というお話でした(→通訳のSさんを交えて、夜に復習会をしたのです)。ご講演内容は、具体的データを多数示しながらの、あまりも詳しいお話だったので、これでも詳細は省いています。

-----

また、1~3歳の自閉症の子どもたちに、ジョイントアテンションを伸ばすための教育支援方法のあり方についての報告もありました。TEACCHプレイグループのリーダー、ベスがその実践を報告しました。大変興味深く、うちの2歳児グループ『わくわくキッズ』や『それいゆプリスクール』にも即導入したい内容でした。早く帰りたくなりました。


そのほか、HFAの一般高校での支援法、HFAの一般大学での支援法についての、具体的な方略の報告があり、参考になりました。

-----

また明日が楽しみです。


PCのフォルダの中に、こんな写真を見つけたので、アップ。


3年前に、日本の仲間たちとピヴン先生を尋ねて、特別に2時間の研修会を開いていただいた時の記念撮影です。この特別研修会は、超早期発見のことが知りたいという私たちの願いに応じて、メジボブ先生がセッティングしてくださったのでした。あのとき、ピブン先生は、1歳~4歳という、いわば、手に負えない子どもたちを相手にFMRIを撮る為にじっとしておいてもらうためにはどうすれば良いか、とか、アイトラッキングの研究を乳幼児相手にやるにはスクリーンが興味あるものにしないといけないと、楽しい絵や写真を多数プログラムに組み込むような研究も、主軸研究のサイド研究としてなさっていて、その様子を実際のパソコンやソフトを起動して説明してくださるなど、とても精力的で楽しそうだったことが思い出されます。

そして、とてもやさしい方です。

どんなに科学の粋でカッティングエッジ菜研究をしていても、子どもを子どもとして、人を人としてみるスタンスは決して外さない。その研究者としての姿勢に感銘を受けたものでした。。

  


Posted by Tomoko at 18:39Comments(3)海外研修報告

2009年05月12日

ちょっと休養の一日

今日は、これから4日間続く研修の前日。午前中は身体を休めて、お昼に、大分のミケダドクターが到着予定だったので、空港までレンタカーでお迎えに行きました。
ミケダドクターは、私たちより1週間早くTEACCHに来て、1週間、シャーロットTEACCHセンターで見学研修を受けておられました。昨年夏、ミケダドクターは、佐賀で行われたTEACCH5デイトレーニングを受講なさっており、そのつながりで今回の1週間研修でしたので、シャーロットTEACCHのスタッフも歓迎され、1週間充実した研修をなさっていたようです。

夕方、チャペルヒルは初めて、とおっしゃるミケダドクターをお連れし、一行4人で、ちょっとしたキャンパス観光を。


英語圏の古い大学には必ずある、時を刻むベルタワー。ちゃんと生きて仕事しているので、時折、ベルが聞こえます。


200年以上前大学創立当初からの名所=オールドウェル



その後、S先生が興味を持たれていたアトランティックオーシャンで獲れたシーフードを食べさせる店で、晩御飯。

そこでの名物は、クラブケーキ(蟹料理)。写真はミケダ先生ご注文。


私はなんだか食欲がなく、サラダだけにしました。やっぱりまだ本調子じゃないなぁ。

シカゴでがんばった疲れか、みんな早く眠くなったので、今日は早めにお開き。

明日からの研修に備えて、脳みそを休めましょう。

  

Posted by Tomoko at 14:16Comments(2)海外研修報告

2009年05月11日

TEACCH部のあるチャペルヒル

今日、シカゴからチャペルヒルに移動しました。

チャペルヒルは、ノースカロライナ大学チャペルヒル校の卒業式が行われていて、初夏の明るいキャンパスが、いつにもまして華やかでした。

チャペルヒルは、A piece of Heven (天国のひとかけら)と呼ぶ人がいるほど、美しい街です。大学都市なのですが、森に囲まれています。ノースカロライナ大学のキャンパスもまた、映画「パッチ・アダムス」の医学部キャンパスの撮影現場として選ばれたほど、昔ながらのアメリカの良さと建物の美しさ、大学キャンパスの美しさで有名です。


私は自閉症に関わって30年を過ぎましたが、TEACCHに関わってすでに20年(実践開始したときから数えて)。TEACCH部に留学したのが92~93年。そして、TEACCH部に毎年再研修に来るようになりましたが、この美しい街で、私の人生を変えるような出会いが多数あったなと、いろいろしみじみと思い出されてきます。


お亡くなりになった偉大な指導者エリック・ショプラー先生、ずっと私の人生の師であり続けてくださっているゲーリー・メジボブ先生、今は他の大学で大活躍しておられるキャサリン・ロード先生にはADOSの初期の研究段階をグリーンビルTEACCHセンターで行っておられ、研修を受けさせていただきましたね。また、親の会を大切に育てていくことの重要性を教えてくださったマリー・ブリストル先生、その後ずっと佐賀に来てもらうことになったジャック・ウォール先生やその仲間たち。親しく付き合ってくれたキャシー、セーラ、ほか、トレーナーたち。。

この出会いの奇跡の中で、彼らの誰ひとりが欠けていても、今の私は無かったと思います。

もちろん、TEACCHの先生方だけじゃなく、日本の地元の多くの友人・同僚たちも同じく、私の人生に大きな影響を与えてくれました。どの一人の人とも大切な思い出があります。



なかでも、TEACCHの人たちからは、『指導者は人格を高潔に保たなくてはならない。自分で自分の人間を磨くべきだ』という点を、強烈に学んだと思います。

自分がそれを実践できているとの自信はありませんが、たしかに、努力は続けてきたつもりです。が、まだまだ未熟な自分を思い知らされることが多いです。

この地に来ると、いつもそのことを初心に帰るような気持ちで思い出され、胸がきゅんとします。

また気を引き締めてがんばろうっと。


  

Posted by Tomoko at 15:00Comments(2)海外研修報告