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2011年10月19日

高齢者虐待の心理

今日の午後、母と一緒に父のお見舞いに行きました。しばらく一緒に時間を過ごしました。
普段は妹や弟たちが、よく父の見舞いや母の手伝いをしていますが、私はなかなかそうはいかないので、とにかく何とか時間を作りたいと願っていましたが、今日ようやくかないました。

父はもう数年前から寝たきりなのですが、このところ、病状が悪化して、しばらく前から父は入院しています。母がよく看病と介護をしてきたのですが、入院してもう1週間以上経つのにまだ絶食状態でした。妹や下の弟はよくお見舞いに行っているようですが、私はようやく時間が取れて、じっくりゆっくり一緒に過ごしました。今日は起き上がることができ、車いすにも乗れたので、談話室に行っておしゃべりしました。まだ屋外への散歩はできない状態です。

父を車椅子に乗せる時は、看護師さんにお手伝いを頼まなくてはなりません。母が年老いている上に、私も股関節の問題で不自然な姿勢が取れないからです。私は身障者手帳2種を持っています。

その時の看護師さんの声掛けが、「服巻さん、看護師さんが困らないように、リハビリして自分で立てるようになってください」 表情も硬く、冷たい言い方でした。

父は自分だって、自力で歩けるようになりたいのです。だんだんいろいろなことができなくなることが悔しくてならないのです。リハビリだって、看護師さんのためでなく、自分のために頑張りたいと思っているに違いないと思います。(もうあまりしゃべれないのですが、私には気持ちはわかるつもりです) それなのに、看護師さんが困らないようにリハビリ、なんて、なんて心無い言葉なのだろうと、思わずにいられませんでした。もう何もできない父にも、プライドはあるのです。

ムッとする私に、母が顔で合図。お世話になるしかないので、黙っているしかない、黙っていて!!! との合図でした。

高齢者は、これまでの日本社会を支えてきた人たちだから、たとえ何もできなくても、プライドを傷つけない、ということはとても大切なことだと、介護の必要な父と介護をしている母を見ていて、真に実感しています。高齢者は何も言えないしお世話になるしかない、その彼らに対して虐待が起きるのも、そのメカニズムもわかる気がしました。高齢者は日に日に手がかかるばかりでなく、時に我儘だったり、可愛くないこともしばしば。体罰の虐待だけでなく、虐待は言葉で心を傷つけることも含まれます。言葉による虐待は日常起きているのだと感じました。

毎日午前も午後も病院に通って付き添っていろいろな経験をしている母があのように私に合図してきたので堪えましたが、病院側に、スタッフの態度について何か言うべきか、ものすごく考えています。実は弟も、その経験を1週間前にしたのだということでしたから、1回2回、あと何回同じようなことがあれば、病院側に言っても良いのでしょうか。。。

等ということを考えてしまいます。

叔母は看護学校の教師をしていました。同級生にも看護師は多いし知人にも多いです。看護師さんという職業の崇高さも痛感していますから、誰も彼もがそうだとい訳では決してありません。ただ、家族として胸が痛く、父の悔しさに共鳴したので、そしてきっと、このブログに書くと共感してくださる人もいると思うので、書いてみました。

そして、お父さんお母さんたちが、学校の先生に意見をするのをためらう気持ちが、とっても理解できる気がしました。


父の病院の近くの公園。父のお見舞いの帰りに、愛犬と散歩しました。
佐賀市は公園整備に力を入れていて、綺麗で、その上、犬と一緒の散歩Okの公園は多いのです。
父が良くなって、車いすでも外に出れるようになったら、いつか連れてきたいです。

高齢者虐待の心理


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I am still thinking about it.
私と母、そして、父の兄弟姉妹は、祖母=父の母の寝たきり介護をした経験があります。25年ほど前にそれは始まり、その後、数年続きました。
あのころに比べると、介護を取り巻く状況はものすごく変化していて、家族の負担はかなり減ったと思います。

今日のあの看護師さんの表情や言葉、彼女はニコリともせず何回もそれを繰り返したのでその背筋が寒くなる状況が忘れられずにいます。そして、思い出すたびに、では自分は、寝たきりだった祖母にどう接したか、思い出そうとしました。

自分だって、あんなに大好きでおばあちゃん子だった自分だって、寝たきりのおばあちゃんにいつもいつも優しくしたわけではなかったのではないか、あの看護師さんだって、今日は虫の居所が悪かったのか、それとも、家庭で何かあったのか、などと考えたりもします。

でも、こうして入院患者の家族に、こんな風にいつまでも心に引きずる出来事を与えるというのは、やはり、何か納得してはいけないものがあるようにも感じます。

病院の勤務体制や管理体制にも何か改善すべきものがあるのかもしれません。看護師さんのメンタルヘルスの管理というかサポートも必要なのかもしれません。



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この記事へのコメント
私はデイサービスで働いていました。今でもさらっとそのような発言をされる方がいるのは驚きです。特に男性の方は本当にプライドが傷ついてリハビリできる方でもやる気がなくなる方もおられます。いたわりの心って大事だと思いました。
 でも娘さんである先生と過ごせてお父様は嬉しかったと思います。
Posted by chibidomame at 2011年10月19日 21:37
看護師を育てる仕事をしている私は、記事を読んでとても胸が痛みました。
先生、決してそんな看護師ばかりではないですよ。
Patient and family centered care という言葉があります。それって、何も特別なことではなく、当たり前のことだと思うのです。
隅々にまで根付いてほしいなと思います。
Posted by 当事者の母S at 2011年10月19日 22:22
私の父も5年間、寝たきりで病院のお世話になっていましたが…
面会に行ったある日、ヘルパーさん?が認知症らしき男性が廊下をうろうろされていると なんと…廊下でおむつを替え始めたのです。
どうしてそんなことをするのか理解できませんでした。
見かねた母が「おじいちゃん、恥ずかしかろう」と声をかけました。するとその方は「こげん、呆けてしもうて恥ずかしかもなーもなか!」と言い放ったのです。
私は、この病院に父を入院させておくのが不安になりました。
医療従事者とは思えない言動に腹が立ち、情けない思いでいっぱいになりました。
悲しいことですが、高齢者の施設でも、障がい者の施設でも心ない人が居るのが現実です。
介護や医療の現場で働く人たちの冷遇が質の低下を招いているのでしょうか?そればかりではないでしょうが…
Posted by なちゅらるなちゅらる at 2011年10月21日 10:29
服巻先生、何度かセミナーでお世話になっています。
ありがとうございます。この秋も何回か参加したいと思っています。

とても胸が痛みました。
私の母のことを思い出しました。当時、末期がんで骨転移があり緩和ケアを受けていた母は自力歩行が難しくなっていましたが、最後まで何とか自分で用を足したいと願っていました。そんな母に向かって、若い医師が「歩いたらどんどん骨がくだけるって言ってるでしょ。自分のためですよ。看護師を呼んでください」と厳しく言いました。
それを聞いた母は何も言いませんでしたが、そばで聞いていた私は母に残された時間と母自身の気持ちを思うと胸が張り裂けそうで、悩んだ挙句、病院側にお話ししました。「お医者様のお気持ちもわかりますが、母の気持ちも考えてもらいたい。決してそんなつもりで言ったわけじゃないかもしれませんが、母と私たち家族にとっては、あのお医者様の言葉は、母のためではなく、お医者様自身のための言葉で、母という人間は人生の最後に心の底から傷づけられました。本当に患者のための医療を提供したいと思っておられるなら、今回のことをもう一度考えていただきたい」と。
これを、私はその若い医師の指導医と看護婦長にお話ししたのですが、翌日すぐに指導医と若い医師本人から謝罪がありました。若い医師からは、傷つけるつもりは少しもなかったこと、母のことを考えて、最期まで何とか力になりたいと考えてのことだったが、独りよがりだった、と涙を流して謝ってくださりました。
母はその数日後に亡くなりましたが、母も私も家族も、その若い医師と指導医の誠実な対応にとても救われました。
医療の現場ではいろいろなことがありますが、よい医療者が育っていってくれることを願わずにはいられません。

個人的なことを長々と申し訳ありません。私も医療関係の一人です。
あらゆる人にとってやさしい世の中であってほしいと願っています。
Posted by ぴっぴ at 2011年10月21日 22:44
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