*服巻智子への講演依頼は以下の方法で!
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2009年05月25日
ペアレントメンターと高機能親の学習会(バンビの会)
午前中は、編集者と打ち合わせ。
「 自閉症の子どもを持つ親のための ペアレントメンター・ハンドブック 」責了。
7月1日発売予定です。
アメリカで始まった「ペアレントメンター制度」
その元祖とメッカは、ノースカロライナ州のTEACCHです。
この本は、ノースカロライナ自閉症協会でメンタープログラムを創立し、現在も責任者・コーディネーターを務めておられるアン・パーマー女史にその成り立ちや意義、メンタートレーニングなどについて詳説いただきました。また、そのTEACCHペアレントメンタープログラムに学び、佐賀県方式ペアレントメンターシステムを確立したので、その内容についての説明も載せています。
アン・パーマー氏は来月再来日予定で、6月21日に佐賀市で開催される自閉症協会九州大会で講演をなさいます。また、前日の20日には、ペアレントメンタープログラムに絞ったセミナーを開催します。
興味のある方は、ぜひ、ご来場ください。お待ちしています。
-------
午後は、佐賀県自閉症協会の、高機能の親の学習会=バンビの会 でした。
いつも、佐賀県内ばかりではなく、長崎県・福岡県・熊本県などからの参加も多いです。
学校への行き渋り、仕事が見つからない、深刻な引きこもりなど、自閉症の子どもから大人までありがちな不適応状況のとき、親としてどう接したらいいか、迷いに迷うのは当然です。
同じ話を繰り返し聞いても、納得したようなできなかったような、わかりきれないような。。
悩みますよね。。
メンターはこんな場面にも活躍します。ペアレントメンターは、しかし、トレーニングおよびそのルールが重要なポイントとなります。「メンターをやりたいからやる」という理由では、実は通用しない、それどころか、実は本来的にうまくいかないものです。
テンプル・グランディンさんがおっしゃっています。 「一人の自閉症を育てたといっても、それはたった一人の自閉症しか知らないということだ」 これは親や支援者への警鐘なんです。自閉症は多様です。一人育てたということが、専門家になったわけじゃないということに気づかないといけません。専門家になったつもりになってもいけないのです。ですから、メンターは専門家として行動してはいけないのです。それが「やりたい!」一心の方にはわかっていただけないことが多い。その場合、危険な領域に踏み込んでしまっている自分にも気づかないでおられます。
危なっかしいなぁ。
親の心理はトリッキーです。親だからと、何でも許されるわけじゃないことも肝に命じることができる、というのも、メンターの資質の一部です。
支援者についても同じですね。
アトウッド博士は、各機能レベルの全年代のASDの方を、それぞれ付き合って、支援した対象者が1000人を超えたら、専門家として一人前といえるかもしれないですね、と、おっしゃっています。
「 自閉症の子どもを持つ親のための ペアレントメンター・ハンドブック 」責了。
7月1日発売予定です。
アメリカで始まった「ペアレントメンター制度」
その元祖とメッカは、ノースカロライナ州のTEACCHです。
この本は、ノースカロライナ自閉症協会でメンタープログラムを創立し、現在も責任者・コーディネーターを務めておられるアン・パーマー女史にその成り立ちや意義、メンタートレーニングなどについて詳説いただきました。また、そのTEACCHペアレントメンタープログラムに学び、佐賀県方式ペアレントメンターシステムを確立したので、その内容についての説明も載せています。
アン・パーマー氏は来月再来日予定で、6月21日に佐賀市で開催される自閉症協会九州大会で講演をなさいます。また、前日の20日には、ペアレントメンタープログラムに絞ったセミナーを開催します。
興味のある方は、ぜひ、ご来場ください。お待ちしています。
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午後は、佐賀県自閉症協会の、高機能の親の学習会=バンビの会 でした。
いつも、佐賀県内ばかりではなく、長崎県・福岡県・熊本県などからの参加も多いです。
学校への行き渋り、仕事が見つからない、深刻な引きこもりなど、自閉症の子どもから大人までありがちな不適応状況のとき、親としてどう接したらいいか、迷いに迷うのは当然です。
同じ話を繰り返し聞いても、納得したようなできなかったような、わかりきれないような。。
悩みますよね。。
メンターはこんな場面にも活躍します。ペアレントメンターは、しかし、トレーニングおよびそのルールが重要なポイントとなります。「メンターをやりたいからやる」という理由では、実は通用しない、それどころか、実は本来的にうまくいかないものです。
テンプル・グランディンさんがおっしゃっています。 「一人の自閉症を育てたといっても、それはたった一人の自閉症しか知らないということだ」 これは親や支援者への警鐘なんです。自閉症は多様です。一人育てたということが、専門家になったわけじゃないということに気づかないといけません。専門家になったつもりになってもいけないのです。ですから、メンターは専門家として行動してはいけないのです。それが「やりたい!」一心の方にはわかっていただけないことが多い。その場合、危険な領域に踏み込んでしまっている自分にも気づかないでおられます。
危なっかしいなぁ。
親の心理はトリッキーです。親だからと、何でも許されるわけじゃないことも肝に命じることができる、というのも、メンターの資質の一部です。
支援者についても同じですね。
アトウッド博士は、各機能レベルの全年代のASDの方を、それぞれ付き合って、支援した対象者が1000人を超えたら、専門家として一人前といえるかもしれないですね、と、おっしゃっています。
タグ :ペアレントメンター
2009年05月24日
就労支援講演会と日本自閉症スペクトラム学会
昨日のことですが、佐賀県立美術館ホールにて、『自閉症就労支援講演会』が催されました。
講師は、この分野では日本一の梅永雄二先生(宇都宮大学教授)で、私は司会をおおせつかっていました。


私は以前から、就労支援だけでは仕事をする生活の維持は困難と主張してきており、厚生労働省の会議でも就労だけの支援に偏った成人支援制度の改革を訴えてきています。まだなかなか政策に反省されないのが悔しいところです。
それが、今回の梅永先生のご講演でも、そのお話が出たので、とても心強く感じました。
梅永先生は、それを「ライフスキル」と呼んでおられました。
そうなんです。仕事のスキルだけ伸びても、仕事を支える生活はできないので、その支援が最も重要。その点で、うちのジョブコーチともいつも話をしていきました。どのような制度をうまく使えば、ライフスキルまでの支えができるのか。
もっとも有効なのは、やはり学校教育で、そのあたりをきちんと押させて指導してもらっておくことです。
しかし、どんな学校でどのようなカリキュラムを受けるのか、現時点の日本は、まったく選べない状態です。そのため、大人になってもライフスキルが身に付けられないし、そればかりか、生活の地盤が整わないまま就労移行期に入ってしまう人がとても多いです。就労移行期の就労支援は、職業スキルと職業行動は教えることができても、ライフスキルまでは困難です。
そこで、それいゆの成人支援では、ライフスキルまで指導するメニューも用意していますが、制度に乗せられないので、こちらは場合によっては『有料の支援』となる場合が多いです。それは個々人によって異なりますが、現時点の日本の状態では、もう、どうしようもないところです。
なお、梅永先生がライフスキルと称されたものに、私はその上に「自己認知支援」を組み入れていますので、また少し概念や取り組み範囲が違ってくるかな、とも感じました。
今回も学びの多い研修会でした。多数のご来場、ありがとうございました。
-----
今回の講演会開催について、主催は、佐賀県発達障害者支援センター結でした。
私は、結の顧問をしておりますので、大抵、こういう講演会の時は司会などをおおせつかります。
が、しかし、共催もありました。
共催は、佐賀県自閉症協会とTEACCHプログラム研究会佐賀支部です。
会場には、新しくできた佐賀県療育研修センターの方々や親の会の方々、他の親の会の方々、関係保育園・幼稚園・学校関係者、施設関係者も多かったです。
何が言いたいかといいますと、佐賀は、発達障害に関わる多くの団体が、連携していろんな活動を行っているということです。これはとても良いことです。情報を共有できますし、いつも顔を合わせるのでコミュニケーションを図りやすいです。そして、公的な支援会議やミーティングなどへの依頼もスムーズとなります。
なお、私も個人として、佐賀県自閉症協会の専門部会員であり、TEACCHプログラム研究会佐賀支部の会員です。
-----
今回の講演会は、もう1つ、目的がありました。
日本自閉症スペクトラム学会の九州地区での活動を開始しようということでした。学会事務局とも相談させていただき、私はその呼びかけ人をさせていただきました。そして、学会の評議員でもあられる梅永先生に、自閉症スペクトラム学会の説明会をしていただくことができました。
今日のために、去年の12月末から、九州中のいろいろな大学関係者や各県発達障害者支援センターと対話を続けてきて、昨日は会場に九州中からも集まっていただきました。この新型インフルエンザで微妙な情勢の時でしたが、自閉症支援には大切なことだと、多くの方が集まってくださいました。
・九州各県の発達障害者支援センターも賛同
・各県にある大学関係者も賛同
・発達障害に関わる病院関係の方々
・TEACCH研佐賀支部の方々
・自閉症協会の方々
午前の梅永先生の講演会後に、ランチミーティングの会を設け、九州中からお集まりの有志の方々(一部欠席もありましたが)と、これからの行動計画を話し合いました。
昨日決まった行動計画は、
・なるだけ多数の自閉症スペクトラム学会への入会者を得る(九州在住)
・代表者と副代表者、実務担当者を決める
・8月末~12月始めの間に、支部としての体裁を整え、学会に申請する
・その間、有志のうち、自閉症スペクトラム支援士の申請が可能な者は、梅永先生に相談して、申請をする。
・来年の5月22~23日(土日)または5月29~30日(土日)に、支部発足記念研修会を開催する
すごいなぁ。話が進んだなぁ。
ランチミーティングでは、各県発達障害者支援センターと九州各県の一部の教授陣や医学部・医療関係のメディカルドクターたち、そして、TEACCH研の学校の先生たち、それにそれいゆのような福祉支援者が一同に集まり顔合わせから始まりました。
みなさん、お互いに見知っている人、初めて会う人、があり、同じ九州管内で、同じ発達障害の分野で仕事をしている者として、職種を超えてこうして集まって話ができることをとても喜んでいただきました。
良いネットワークとなると良いな。
職種の枠を超えて、同じく自閉症の人たちの支援のために力を合わせて働く仲間が、この学会のネットワークを通して情報の共有や協働ができる『輪』となるよう、縁の下の力持ちをさせていただきたいと思って、この半年、準備を進めてまいりました。
それが、本当に多くの方々のご協力を得て、一気に形になって、とても安堵しました。でもまだ気を抜かず、支部としての体裁が整うよう前に進んでまいりたいと思います。
*事前の準備は進めてましたが、直前はアメリカ研修旅行のため、実質的には、結のスタッフ、TEACCH研の皆さんの実働あっての昨日の成功でした。皆さん本当にありがとうございました。
*この件は、これからも進みます。また随時、個別にご連絡差し上げます。
講師は、この分野では日本一の梅永雄二先生(宇都宮大学教授)で、私は司会をおおせつかっていました。
私は以前から、就労支援だけでは仕事をする生活の維持は困難と主張してきており、厚生労働省の会議でも就労だけの支援に偏った成人支援制度の改革を訴えてきています。まだなかなか政策に反省されないのが悔しいところです。
それが、今回の梅永先生のご講演でも、そのお話が出たので、とても心強く感じました。
梅永先生は、それを「ライフスキル」と呼んでおられました。
そうなんです。仕事のスキルだけ伸びても、仕事を支える生活はできないので、その支援が最も重要。その点で、うちのジョブコーチともいつも話をしていきました。どのような制度をうまく使えば、ライフスキルまでの支えができるのか。
もっとも有効なのは、やはり学校教育で、そのあたりをきちんと押させて指導してもらっておくことです。
しかし、どんな学校でどのようなカリキュラムを受けるのか、現時点の日本は、まったく選べない状態です。そのため、大人になってもライフスキルが身に付けられないし、そればかりか、生活の地盤が整わないまま就労移行期に入ってしまう人がとても多いです。就労移行期の就労支援は、職業スキルと職業行動は教えることができても、ライフスキルまでは困難です。
そこで、それいゆの成人支援では、ライフスキルまで指導するメニューも用意していますが、制度に乗せられないので、こちらは場合によっては『有料の支援』となる場合が多いです。それは個々人によって異なりますが、現時点の日本の状態では、もう、どうしようもないところです。
なお、梅永先生がライフスキルと称されたものに、私はその上に「自己認知支援」を組み入れていますので、また少し概念や取り組み範囲が違ってくるかな、とも感じました。
今回も学びの多い研修会でした。多数のご来場、ありがとうございました。
-----
今回の講演会開催について、主催は、佐賀県発達障害者支援センター結でした。
私は、結の顧問をしておりますので、大抵、こういう講演会の時は司会などをおおせつかります。
が、しかし、共催もありました。
共催は、佐賀県自閉症協会とTEACCHプログラム研究会佐賀支部です。
会場には、新しくできた佐賀県療育研修センターの方々や親の会の方々、他の親の会の方々、関係保育園・幼稚園・学校関係者、施設関係者も多かったです。
何が言いたいかといいますと、佐賀は、発達障害に関わる多くの団体が、連携していろんな活動を行っているということです。これはとても良いことです。情報を共有できますし、いつも顔を合わせるのでコミュニケーションを図りやすいです。そして、公的な支援会議やミーティングなどへの依頼もスムーズとなります。
なお、私も個人として、佐賀県自閉症協会の専門部会員であり、TEACCHプログラム研究会佐賀支部の会員です。
-----
今回の講演会は、もう1つ、目的がありました。
日本自閉症スペクトラム学会の九州地区での活動を開始しようということでした。学会事務局とも相談させていただき、私はその呼びかけ人をさせていただきました。そして、学会の評議員でもあられる梅永先生に、自閉症スペクトラム学会の説明会をしていただくことができました。
今日のために、去年の12月末から、九州中のいろいろな大学関係者や各県発達障害者支援センターと対話を続けてきて、昨日は会場に九州中からも集まっていただきました。この新型インフルエンザで微妙な情勢の時でしたが、自閉症支援には大切なことだと、多くの方が集まってくださいました。
・九州各県の発達障害者支援センターも賛同
・各県にある大学関係者も賛同
・発達障害に関わる病院関係の方々
・TEACCH研佐賀支部の方々
・自閉症協会の方々
午前の梅永先生の講演会後に、ランチミーティングの会を設け、九州中からお集まりの有志の方々(一部欠席もありましたが)と、これからの行動計画を話し合いました。
昨日決まった行動計画は、
・なるだけ多数の自閉症スペクトラム学会への入会者を得る(九州在住)
・代表者と副代表者、実務担当者を決める
・8月末~12月始めの間に、支部としての体裁を整え、学会に申請する
・その間、有志のうち、自閉症スペクトラム支援士の申請が可能な者は、梅永先生に相談して、申請をする。
・来年の5月22~23日(土日)または5月29~30日(土日)に、支部発足記念研修会を開催する
すごいなぁ。話が進んだなぁ。
ランチミーティングでは、各県発達障害者支援センターと九州各県の一部の教授陣や医学部・医療関係のメディカルドクターたち、そして、TEACCH研の学校の先生たち、それにそれいゆのような福祉支援者が一同に集まり顔合わせから始まりました。
みなさん、お互いに見知っている人、初めて会う人、があり、同じ九州管内で、同じ発達障害の分野で仕事をしている者として、職種を超えてこうして集まって話ができることをとても喜んでいただきました。
良いネットワークとなると良いな。
職種の枠を超えて、同じく自閉症の人たちの支援のために力を合わせて働く仲間が、この学会のネットワークを通して情報の共有や協働ができる『輪』となるよう、縁の下の力持ちをさせていただきたいと思って、この半年、準備を進めてまいりました。
それが、本当に多くの方々のご協力を得て、一気に形になって、とても安堵しました。でもまだ気を抜かず、支部としての体裁が整うよう前に進んでまいりたいと思います。
*事前の準備は進めてましたが、直前はアメリカ研修旅行のため、実質的には、結のスタッフ、TEACCH研の皆さんの実働あっての昨日の成功でした。皆さん本当にありがとうございました。
*この件は、これからも進みます。また随時、個別にご連絡差し上げます。
2009年05月22日
帰国1日め
午前中は、歯科通院。久しぶりで3時間もかかりました。あと1回で、全部終わります。やっとここまで来たか!
そして、午後は、フリースクールの生徒たちの個人面談。
午後遅くは、佐賀県発達障害者支援センター結のコンサルタントとして、定例戦略会議。
夕方、宇都宮大学教授 梅永雄二先生をお迎えし、明日の講演会の打ち合わせをしました。
久しぶりの愛犬との散歩に、気持ちが安らいだ一日。
そして、午後は、フリースクールの生徒たちの個人面談。
午後遅くは、佐賀県発達障害者支援センター結のコンサルタントとして、定例戦略会議。
夕方、宇都宮大学教授 梅永雄二先生をお迎えし、明日の講演会の打ち合わせをしました。
久しぶりの愛犬との散歩に、気持ちが安らいだ一日。
2009年05月21日
JALは全員マスク
Tomoko@成田です。
3時間前に到着し、数々の電話やメールへの返事を出すなどの仕事していました。
シカゴで搭乗した時、事前情報にあったように、JALの搭乗員は全員マスクをつけていました。

マスクをしていても笑顔の輝く、キャビンアテンダント(CA)サン達!
到着後、検疫はかなりスムーズでした。
ようやくうちに帰れます。
-----
この写真は、いつものチャペルヒルでの会食の様子。

いつもチャペルヒルに行くと、メジボブ先生とデンマークのヴァンドボルグ博士と私は、何かしら口実を見つけては食事やおしゃべりの時間を持ちます。今回は、高知のH先生を同伴。私は一番奥。見えるかな?
ヴァンドボルグ博士のところは、世界ではじめての自閉症バリアフリー建築を果たし、1990年代の半ばに、ヨーロッパ建築学会で表彰されたりしています。私は彼のところで学んだことを、日本のいくつかの機関、私がコンサルテーションをさせていただいている機関の新しい建築物に取り入れてもらいました。千葉のしもふさ学園、熊本のくまのこ園、福井県の機関、函館のつくしんぼ学級などなど。どこがどう自閉症バリアフリー建築なのか、いつかお話できれば。でも、国内のどこも、ヴァンドボルグ博士のところほどは徹底できませんでした。一番徹底したのは、くまのこ園とつくしんぼ学級かな。。その理由は、文化や風土の違いによるところが大きいと思っています。
今回、ヴァンドボルグ博士には、いつも以上にお世話になりました。
というのは、モントリオールのイザベル・イノー博士のところで教えてもらった性教育の教材は、なんと、世界中探してもデンマークにしか売っていない、ということが判明したので、事前にヴァンドボルグ博士に問い合わせたら、ご親切にも運んできてくださったんです!
「Tomoko,,重かったよ~~~」っと、愛らしい笑顔で渡してくださいました。
この著者が、ヴァンドボルグ博士の親友だったんだそうなんです。だから、私が探していると知り、むしろ嬉しかったと言ってくれました。
私はそれいゆ開設当初から性教育に力を入れていますが、この教材を得たことで、またパワフルに内容を深めることができる気がして張り切っています。
-----
ところで~~~~、今回はサプライズがありました。
JALの機内サービスのCAさんの一人が、私の子どもの頃からの同級生だったんです!!!
以前は福岡空港を拠点にしていたのは知っていましたが、いつのまに国際線に移ったの???
三田川小学校・三田川中学校・神埼高校まで一緒で、ずっと同じバスケット部でした!
彼女も勤務中だったんで、休憩時間を教えてもらってその時間に、お客さんたちの邪魔にならないところでこっそりおしゃべりして、とっても楽しいひと時でした。今年の夏は、一大同窓会があるのですが、お互いそれにいけるか微妙な状態。
会えて嬉しかったなぁ。
では、あと1時半ほどで、福岡行きに乗ります。
3時間前に到着し、数々の電話やメールへの返事を出すなどの仕事していました。
シカゴで搭乗した時、事前情報にあったように、JALの搭乗員は全員マスクをつけていました。
マスクをしていても笑顔の輝く、キャビンアテンダント(CA)サン達!
到着後、検疫はかなりスムーズでした。
ようやくうちに帰れます。
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この写真は、いつものチャペルヒルでの会食の様子。
いつもチャペルヒルに行くと、メジボブ先生とデンマークのヴァンドボルグ博士と私は、何かしら口実を見つけては食事やおしゃべりの時間を持ちます。今回は、高知のH先生を同伴。私は一番奥。見えるかな?
ヴァンドボルグ博士のところは、世界ではじめての自閉症バリアフリー建築を果たし、1990年代の半ばに、ヨーロッパ建築学会で表彰されたりしています。私は彼のところで学んだことを、日本のいくつかの機関、私がコンサルテーションをさせていただいている機関の新しい建築物に取り入れてもらいました。千葉のしもふさ学園、熊本のくまのこ園、福井県の機関、函館のつくしんぼ学級などなど。どこがどう自閉症バリアフリー建築なのか、いつかお話できれば。でも、国内のどこも、ヴァンドボルグ博士のところほどは徹底できませんでした。一番徹底したのは、くまのこ園とつくしんぼ学級かな。。その理由は、文化や風土の違いによるところが大きいと思っています。
今回、ヴァンドボルグ博士には、いつも以上にお世話になりました。
というのは、モントリオールのイザベル・イノー博士のところで教えてもらった性教育の教材は、なんと、世界中探してもデンマークにしか売っていない、ということが判明したので、事前にヴァンドボルグ博士に問い合わせたら、ご親切にも運んできてくださったんです!
「Tomoko,,重かったよ~~~」っと、愛らしい笑顔で渡してくださいました。
この著者が、ヴァンドボルグ博士の親友だったんだそうなんです。だから、私が探していると知り、むしろ嬉しかったと言ってくれました。
私はそれいゆ開設当初から性教育に力を入れていますが、この教材を得たことで、またパワフルに内容を深めることができる気がして張り切っています。
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ところで~~~~、今回はサプライズがありました。
JALの機内サービスのCAさんの一人が、私の子どもの頃からの同級生だったんです!!!
以前は福岡空港を拠点にしていたのは知っていましたが、いつのまに国際線に移ったの???
三田川小学校・三田川中学校・神埼高校まで一緒で、ずっと同じバスケット部でした!
彼女も勤務中だったんで、休憩時間を教えてもらってその時間に、お客さんたちの邪魔にならないところでこっそりおしゃべりして、とっても楽しいひと時でした。今年の夏は、一大同窓会があるのですが、お互いそれにいけるか微妙な状態。
会えて嬉しかったなぁ。
では、あと1時半ほどで、福岡行きに乗ります。
2009年05月21日
自閉症研究最前線~カリフォルニア大学デービス校
UCデービス校に行ってみて、本当にびっくりしたのは、大学付属の子ども病院やら、小児がんパークやら、子どもの医療の研究が大変充実していたことです。
その上、42億円もかけてつくられた、自閉症だけを研究するMINDインスティテュートもありました。ADHDの研究も脆弱X染色体の治癒に関わる研究も最先端です。
このMINDインスティテュートでは、遺伝子研究、薬物研究、脳科学研究などが行われているうえで、それらの研究を踏まえた治療教育が開発されています。
いろんなことを深く学ばせていただきました。診断場面、0歳児からフォローをしている子どもたちのフォローアップ評価はサリー・オゾノフ教授が見ながら解説もしてくださいました。オゾノフ教授からは先週、自閉症の超早期発症と退行のメカニズム研究の最先端情報をお聞きしたばかりでした。それに、兄弟時フォローアップ研究の対象児のセッション、親訓練。そして、生後12ヶ月からの指導のあり方などなど。尽きることはありません。
その詳細情報についてはまた、どこかでお話させていただくことがあれば、と思います。
いよいよ帰国です。
日本は、新型インフルエンザの騒ぎは収まったでしょうか?
私も、イソジンガーグルを持参し、毎日朝晩ちゃんとうがいをし、外から部屋に戻った時は必ず石鹸で長く手洗いをしていました。マスクも使い捨てられるように30枚以上持参していたんですが、こちらの方々に怖がられるので、使用は止めておきました。その代わり、衛生には気をつけました。日本国内の混乱状況は、アメリカでも有名になってます。
私としては、同行のMドクターやHドクターがインフルエンザに効くお薬を持っておられたので安心でした。もちろん、私もいろいろとお薬を持参していたんですけど、市販のものでしたので、先生方がご一緒で心強かったです。
こちらはいたって平静ですが、同じ機に乗る乗客の皆さん、成田でどうなるかということを口々にお話されています。私も腹を据えて覚悟して搭乗します。日本国内に入る時用のマスクもちゃんと準備しています。なんだか、こちらにいるより、日本に行くほうがずっと怖がられている?感じを受けたりなんかして。。
Tomoko@シカゴ 今から成田行きに乗ります。
早く日本に戻って、今回学んだことを、それいゆのスタッフと共有したり、自分の実践に生かしたいです。
その上、42億円もかけてつくられた、自閉症だけを研究するMINDインスティテュートもありました。ADHDの研究も脆弱X染色体の治癒に関わる研究も最先端です。
このMINDインスティテュートでは、遺伝子研究、薬物研究、脳科学研究などが行われているうえで、それらの研究を踏まえた治療教育が開発されています。
いろんなことを深く学ばせていただきました。診断場面、0歳児からフォローをしている子どもたちのフォローアップ評価はサリー・オゾノフ教授が見ながら解説もしてくださいました。オゾノフ教授からは先週、自閉症の超早期発症と退行のメカニズム研究の最先端情報をお聞きしたばかりでした。それに、兄弟時フォローアップ研究の対象児のセッション、親訓練。そして、生後12ヶ月からの指導のあり方などなど。尽きることはありません。
その詳細情報についてはまた、どこかでお話させていただくことがあれば、と思います。
いよいよ帰国です。
日本は、新型インフルエンザの騒ぎは収まったでしょうか?
私も、イソジンガーグルを持参し、毎日朝晩ちゃんとうがいをし、外から部屋に戻った時は必ず石鹸で長く手洗いをしていました。マスクも使い捨てられるように30枚以上持参していたんですが、こちらの方々に怖がられるので、使用は止めておきました。その代わり、衛生には気をつけました。日本国内の混乱状況は、アメリカでも有名になってます。
私としては、同行のMドクターやHドクターがインフルエンザに効くお薬を持っておられたので安心でした。もちろん、私もいろいろとお薬を持参していたんですけど、市販のものでしたので、先生方がご一緒で心強かったです。
こちらはいたって平静ですが、同じ機に乗る乗客の皆さん、成田でどうなるかということを口々にお話されています。私も腹を据えて覚悟して搭乗します。日本国内に入る時用のマスクもちゃんと準備しています。なんだか、こちらにいるより、日本に行くほうがずっと怖がられている?感じを受けたりなんかして。。
Tomoko@シカゴ 今から成田行きに乗ります。
早く日本に戻って、今回学んだことを、それいゆのスタッフと共有したり、自分の実践に生かしたいです。
2009年05月20日
シュワルツェネッガー知事とサクラメント
ご無沙汰。
先週、ノースカロライナ大学TEACCH部が毎年行っている、第30回TEACCHメイカンファレンスに参加して、土曜日に高知のHドクターと共にメジボブ教授やヨーロッパの研究者たちと会食、その後、カリフォルニア州のサクラメントに移動していました。
でも、サクラメントで泊まったホテルのワイヤレスインターネットアクセスがうまくいかなくて、今日まで書けませんでした。
今、すべての研修を終えて、サクラメント国際空港で、これを書いています。このあと、サンフランシスコに飛んで乗り換えて、シカゴに行きます。シカゴには明日朝到着予定。そして、明日水曜日のお昼発の成田行きで帰国します。ここは日本から17時間の時差。こことシカゴは3時間の時差。頭がこんがらがります(^^)。
サクラメントは、カリフォルニア州の州都だなんて、今回の訪問で始めて知りました。

偶然、ホテルのそばにあったんですが、カリフォルニア州議事堂です。
アーノルド・シュワルツネッガー知事はいるのかな?
議事堂の周りはすてきなガーデンになってて、バラ園もありました。

さて、ここ、サクラメントでは、カリフォルニア大学デービス校にあるMINDインスティテュートという自閉症の基礎研究では世界一の場所があります。遺伝子や脳画像のような基礎研究のほか、超早期発見・超早期療育でも他をリードしているところです。
ここの超早期発見と早期療育の第一人者が、先週も講演を拝聴したサリー・オゾノフ教授、そして、彼女の指導教官で今は上司のサリー・ロジャース教授です。このお二人と、そのもとで研究している数人の研究者たちのやっておられることを見せていただき、またディスカッションの時間をいただきました。その内容については、今はもう時間がないので、またの機会に。
これが、カリフォルニア大学デービス校の入口の碑。

そして、MIND Institute です。

自閉症の研究と療育だけに取り組んでいて、数え切れないほどの研究者(医学系、心理系、教育系)たちが働いていました。
さて、もうすぐ飛行機の時間です。
次はどこで書けるかな?
先週、ノースカロライナ大学TEACCH部が毎年行っている、第30回TEACCHメイカンファレンスに参加して、土曜日に高知のHドクターと共にメジボブ教授やヨーロッパの研究者たちと会食、その後、カリフォルニア州のサクラメントに移動していました。
でも、サクラメントで泊まったホテルのワイヤレスインターネットアクセスがうまくいかなくて、今日まで書けませんでした。
今、すべての研修を終えて、サクラメント国際空港で、これを書いています。このあと、サンフランシスコに飛んで乗り換えて、シカゴに行きます。シカゴには明日朝到着予定。そして、明日水曜日のお昼発の成田行きで帰国します。ここは日本から17時間の時差。こことシカゴは3時間の時差。頭がこんがらがります(^^)。
サクラメントは、カリフォルニア州の州都だなんて、今回の訪問で始めて知りました。
偶然、ホテルのそばにあったんですが、カリフォルニア州議事堂です。
アーノルド・シュワルツネッガー知事はいるのかな?
議事堂の周りはすてきなガーデンになってて、バラ園もありました。
さて、ここ、サクラメントでは、カリフォルニア大学デービス校にあるMINDインスティテュートという自閉症の基礎研究では世界一の場所があります。遺伝子や脳画像のような基礎研究のほか、超早期発見・超早期療育でも他をリードしているところです。
ここの超早期発見と早期療育の第一人者が、先週も講演を拝聴したサリー・オゾノフ教授、そして、彼女の指導教官で今は上司のサリー・ロジャース教授です。このお二人と、そのもとで研究している数人の研究者たちのやっておられることを見せていただき、またディスカッションの時間をいただきました。その内容については、今はもう時間がないので、またの機会に。
これが、カリフォルニア大学デービス校の入口の碑。
そして、MIND Institute です。
自閉症の研究と療育だけに取り組んでいて、数え切れないほどの研究者(医学系、心理系、教育系)たちが働いていました。
さて、もうすぐ飛行機の時間です。
次はどこで書けるかな?
2009年05月17日
自閉症研究最前線~TEACCH研修4日め
TEACCHでの研修4日めは、第30回TEACCHメイカンファレンスの2日目。
第1演者は、アラバマ大学自閉症センターのローラ・クリンガー教授。
生物学的自閉症マーカーとして遺伝子が発見されていますが、それが自閉症の脳構造や機能に影響を与え、その影響で、認知や思考が違ってくる。その結果として、行動(コミュニケーション含む)が違ってくる。そのパラダイムの1つ1つのプロセスを科学的に解明するよう研究を続けています。
そして、自閉症における新しい情報の学び方の違いの証明、その違いは代償方法の選択の違いに関連し、また、学習方法の違いと脳機能の違いには関連があり、学習の違いはソーシャルスキルの指導方法も違ってくることに関連している。ということを、科学的に証明し、説明していました。科学的に、というのは、fMRIとアイトラッキングのハイテクを多用して、詳細に分析していました。
特に興味深かったのは、以下の点です。
学習には、「体系的学習」と「直感学習」の2つがある。定型発達では、体系的学習は前頭葉を使っており、直感学習は尾状角が起動する。しかし、運動や経験関連の直感学習の脳機能の比較研究では、定型発達は尾状角が起動し、ASDは前頭葉が起動している。すなわち、同じ問題に取り組む時でも、定型発達の脳と自閉脳では問題解決アプローチが違ってきて当然ということが、脳科学でも証明。自閉症の人は直感学習が非常に弱いので、体系的経験学習の方略を用いて直感学習の弱さを補うようにすることが効果的。平たく言えば、通常の子どもが教えられなくても直感で学んでいくことを、1つ1つ丁寧にルール化して教えてもらわないと理解できない。という、日ごろ自閉症の支援をしている人が経験的によくわかっていることを、脳科学で詳細な説明ができるようになった。
言葉の学習のうち、音声言語の音のつながりや表情を読むというスキルは直感学習。直感学習は、生後12ヶ月までに始まっており、超早期に伸びた部分は生涯安定して失わずにそのスキルレベルを維持できることが証明されている。すなわち、言葉の学習と対人関係の基礎はこの時期であり、この時期に伸ばすことが必要ということ。
その研究結果からも、言葉やソーシャルスキルについての指導法についても詳細を話してくださいましたが、これについてはまたの機会に。
保護者へのメッセージとして、たくさんの脳画像を見せて自閉脳の動き方の違いを証明してから、「そのくらい言わなくても、わかりなさい」というのは、無理難題だということをわかってあげて欲しい。丁寧に根気強く教えましょう、と、おっしゃっていました。
第2演者は、この世界では知らない人はいない、サリー・オゾノフ教授。
カリフォルニア大学デービス校にある、MIND Instituteからお越しになっていました。
演題は「自閉症の特性は、いつ、どのように始まるのか」
2つのタイプの発症の仕方。1つは、かなり早い年齢における違いが目立つようになること。2つめは、退行現象。
オゾノフはほとんど毎年このカンファレンスでプレゼンテーションをしておられますが、今回は、退行現象について詳細な研究を報告しておられました。大体生後12ヶ月前後からの研究です。退行がどのように始まるのかを膨大な数の協力者で追跡研究したのだけれども、結局、現在のDSMで示されているガイドライン(機能的な5語があってその喪失、対人スキルの喪失など)に当てはまらない対抗も多数観察されていること。退行と明らかに断じることのできる時期より前にも、普通に見えるこの言動に何かしら自閉症状が見られ始めていることも多いこと、そして、実は、本当に退行といえるのか早期発症なのか、厳密にわけることは難しいのではないかということなど。
退行の研究は、6月・12月・18ヶ月・24ヶ月・36ヶ月という兄弟時の追跡研究でも行われている。言えることは、ほとんどの退行の兆候は、非常にゆっくり忍び寄るような感じで起こるので、気づくのも遅れるということ。
診断があっても無くても、より効果的な接し方によって、脳内のシナプスのつながり方、学習ルーティンのでき方には当然違いが出てくるので、早期療育には意味がある。もちろん、治すということじゃなく、よりよく学習できるために。
であるから、親への接し方のトレーニングは、早く始めて早すぎるということはない。
小児医学界が推奨している、2歳までに『少なくとも』2回のチェックをする、というのは、非常に意味のあることなのです。
と、強調されていました。
自閉症研究のビッグスターの一人、サリー・オゾノフ博士。いつ見ても、ギリシャ彫刻みたい。

さて、TEACCHでの研修もこれで終わり。
今回の研修旅行のご一行は、

最後の晩に、皆で食べたものは、ノースカロライナ名物のグリッツとえび、ソフトシェル
私とミケダドクター、通訳の重松さんが食べたのは、グリッツとえび

守拙ドクターと重松先生(川崎大学)が食べたのは、グリッツとソフトシェル

ここで、重松先生とミケダ先生、重松さんとはさようならです。皆さんはご帰国の途につかれました。
私と守拙ドクターは、メジボブ先生とミーティングしてから、一路、カリフォルニアへ。
第1演者は、アラバマ大学自閉症センターのローラ・クリンガー教授。
生物学的自閉症マーカーとして遺伝子が発見されていますが、それが自閉症の脳構造や機能に影響を与え、その影響で、認知や思考が違ってくる。その結果として、行動(コミュニケーション含む)が違ってくる。そのパラダイムの1つ1つのプロセスを科学的に解明するよう研究を続けています。
そして、自閉症における新しい情報の学び方の違いの証明、その違いは代償方法の選択の違いに関連し、また、学習方法の違いと脳機能の違いには関連があり、学習の違いはソーシャルスキルの指導方法も違ってくることに関連している。ということを、科学的に証明し、説明していました。科学的に、というのは、fMRIとアイトラッキングのハイテクを多用して、詳細に分析していました。
特に興味深かったのは、以下の点です。
学習には、「体系的学習」と「直感学習」の2つがある。定型発達では、体系的学習は前頭葉を使っており、直感学習は尾状角が起動する。しかし、運動や経験関連の直感学習の脳機能の比較研究では、定型発達は尾状角が起動し、ASDは前頭葉が起動している。すなわち、同じ問題に取り組む時でも、定型発達の脳と自閉脳では問題解決アプローチが違ってきて当然ということが、脳科学でも証明。自閉症の人は直感学習が非常に弱いので、体系的経験学習の方略を用いて直感学習の弱さを補うようにすることが効果的。平たく言えば、通常の子どもが教えられなくても直感で学んでいくことを、1つ1つ丁寧にルール化して教えてもらわないと理解できない。という、日ごろ自閉症の支援をしている人が経験的によくわかっていることを、脳科学で詳細な説明ができるようになった。
言葉の学習のうち、音声言語の音のつながりや表情を読むというスキルは直感学習。直感学習は、生後12ヶ月までに始まっており、超早期に伸びた部分は生涯安定して失わずにそのスキルレベルを維持できることが証明されている。すなわち、言葉の学習と対人関係の基礎はこの時期であり、この時期に伸ばすことが必要ということ。
その研究結果からも、言葉やソーシャルスキルについての指導法についても詳細を話してくださいましたが、これについてはまたの機会に。
保護者へのメッセージとして、たくさんの脳画像を見せて自閉脳の動き方の違いを証明してから、「そのくらい言わなくても、わかりなさい」というのは、無理難題だということをわかってあげて欲しい。丁寧に根気強く教えましょう、と、おっしゃっていました。
第2演者は、この世界では知らない人はいない、サリー・オゾノフ教授。
カリフォルニア大学デービス校にある、MIND Instituteからお越しになっていました。
演題は「自閉症の特性は、いつ、どのように始まるのか」
2つのタイプの発症の仕方。1つは、かなり早い年齢における違いが目立つようになること。2つめは、退行現象。
オゾノフはほとんど毎年このカンファレンスでプレゼンテーションをしておられますが、今回は、退行現象について詳細な研究を報告しておられました。大体生後12ヶ月前後からの研究です。退行がどのように始まるのかを膨大な数の協力者で追跡研究したのだけれども、結局、現在のDSMで示されているガイドライン(機能的な5語があってその喪失、対人スキルの喪失など)に当てはまらない対抗も多数観察されていること。退行と明らかに断じることのできる時期より前にも、普通に見えるこの言動に何かしら自閉症状が見られ始めていることも多いこと、そして、実は、本当に退行といえるのか早期発症なのか、厳密にわけることは難しいのではないかということなど。
退行の研究は、6月・12月・18ヶ月・24ヶ月・36ヶ月という兄弟時の追跡研究でも行われている。言えることは、ほとんどの退行の兆候は、非常にゆっくり忍び寄るような感じで起こるので、気づくのも遅れるということ。
診断があっても無くても、より効果的な接し方によって、脳内のシナプスのつながり方、学習ルーティンのでき方には当然違いが出てくるので、早期療育には意味がある。もちろん、治すということじゃなく、よりよく学習できるために。
であるから、親への接し方のトレーニングは、早く始めて早すぎるということはない。
小児医学界が推奨している、2歳までに『少なくとも』2回のチェックをする、というのは、非常に意味のあることなのです。
と、強調されていました。
自閉症研究のビッグスターの一人、サリー・オゾノフ博士。いつ見ても、ギリシャ彫刻みたい。
さて、TEACCHでの研修もこれで終わり。
今回の研修旅行のご一行は、
最後の晩に、皆で食べたものは、ノースカロライナ名物のグリッツとえび、ソフトシェル
私とミケダドクター、通訳の重松さんが食べたのは、グリッツとえび
守拙ドクターと重松先生(川崎大学)が食べたのは、グリッツとソフトシェル
ここで、重松先生とミケダ先生、重松さんとはさようならです。皆さんはご帰国の途につかれました。
私と守拙ドクターは、メジボブ先生とミーティングしてから、一路、カリフォルニアへ。
2009年05月15日
自閉症研究最前線~TEACCH研修3日め
TEACCH部での研修3日め。
この日から、第30回TEACCHメイカンファレンスが始まりました。
開会挨拶はTEACCH部部長のメジボブ教授。いつもと同じく楽しい話でオープニング。
今回のゲストスピーカーは、またまたすごいです。
ジェラルディン・ドーソン博士、ローザ・ベネット博士、そして、ウェンディ・ストーン博士の3名。
第1演者のジェラルディン・ドーソン博士は、現在、自閉症の医学的研究では全米でも第1人者で、政府諮問委員、そして、世界最大の自閉症研究にグラントを出す財団Autism Speaksのリサーチ審査委員長。このAutism Speaksが、先週のIMFAR(国際自閉症学術学会)の開催母体なのです。ですので、ドーソン博士はそこでは開会挨拶をなさいましたので、そこでもお顔を拝見しています。そして今、TEACCH部のあるノースカロライナ大学で、精神科のリサーチ教授もなさっています。若い頃、ショプラー先生やメジボブ教授にこの大学でトレーニングを受けたとかで、戻って来れて感激だとおっしゃっていました。
著作が日本でも訳されています。「自閉症-その本態、診断および治療」
もう情報量が多すぎて、書ききれないので、簡単に。
ドーソン先生のお話では、自閉症研究の最高峰のお話を、手短に、しかし明快に聞くことができました。
①まず、自閉症の原因に関する研究。
・遺伝子研究(いくつかの遺伝子の特定)、遺伝子の変異に関する研究、受精時の遺伝子コピーミスに関わる研究。
・脳機能というより脳細胞やシナプスの違いの話。脳内物質に関わる違いの話。
こういった原因や生物学的違いに関する部分を明確にしていくと、その違いによる発達の違いの表現や脳内物質の違いが、生物学的自閉症マーカーとなり、早期発見が可能になります。
②そこで、次は、早期発見について。
現時点では、ほぼ、生後6ヶ月~11ヶ月までの、行動上の違いによる自閉症マーカーは明確に示され始めています。
生後12ヶ月では、こう違う、とか。このあたりは、書き出すと長くなりすぎるので、何かの機会にご紹介します。
2年前に、全米小児科医学会が2歳までに2回の自閉症チェックをすることを推奨してから、徹底的に研究が進み、現時点では、生後18ヶ月と生後24ヶ月における早期発見ツールも次々と開発され、発表されています。
③早期に発見されたらどうするか。もちろん、早期介入・療育が必要です。
ここも時間をかけて詳しくお話いただいたのですが、かいつまんでお話しすると、早期発見した子どもたちの早期療育後の追跡縦断研究がなされ、発見・療育後も3歳時・6歳時・9歳時・12歳時と追跡して教育効果の違いに関する研究がいくつか行われており、その結果の紹介がありました。
早期療育で自閉症が治るなんてことはないけれど、自閉症の症状の軽減、特に知的レベルや対人関係力は、介入1年後には介入無しの子どもたちよりはその違いは明確に出ていました。脳内のシナプスのバランスよい繋がりが早期介入教育によって促進されることは間違いないのです。予後の状態、成人期の状態をより良いものに保つには、やはり早期療育は重要な鍵になるもののようです。超早期に介入したら、その成果は成人期まで維持できるという証明の研究についても紹介されました。
そして、今では、生後4ヶ月から適用できる早期介入方法も実践研究が進んで、実証が進んでいるということでした。
ジェラルディン・ドーソン博士です。知性のかたまりのような素敵な方でした。
第2演者のローザ・ベネット博士は、高機能自閉症の人たちにおけるノンバーバルコミュニケーションの難しさについての報告。
そもそも、顔の認知、すなわち、相貌認知の障害を持っている人がとても多いですよね、高機能の人たちって。
それもノンバーバルコミュニケーションのまずさに影響を与えているんです。
しかも、会話で使用される言葉バーバルコミュニケーションと、表情や動作によるノンバーバルコミュニケーションの2つを同時処理するということがいかに難しいか、これも脳科学で証明されていました。言葉だけの処理に、表情の処理が加わると、言葉の処理もそのスピードがスローダウンするということ。
などなど、多数の映像資料を交えてご紹介いただきました。
この件ももっともっと紹介したいことがありますが、この辺で。
第3演者は、ウェンディ・ストーン博士。演題は『早期発見の研究-過去、現在、そして未来』
彼女も、早期発見の第1人者です。RED FLAGというフレームワークで早期発見、24ヶ月未満の発見の研究を非常にプリサイスに行ってこられてます。そしてなんと、ストーン先生も、ノースカロライナ大学が母校で、ここで博士号を取得なさっていたのです。
現時点で判明している超早期発見にかかわる諸情報を詳しくご紹介いただきました。
研修はまだまだ続きます。。
今日食べたもの。ステーキです。


アメリカのステーキはとても美味しいですよ。こちらに来ると、赤身肉がいかに美味しいか、思い知らされます。
霜降りは身体に悪いですね。
上記のステーキで、大体1000~1300円くらいです。
安い!
この日から、第30回TEACCHメイカンファレンスが始まりました。
開会挨拶はTEACCH部部長のメジボブ教授。いつもと同じく楽しい話でオープニング。
今回のゲストスピーカーは、またまたすごいです。
ジェラルディン・ドーソン博士、ローザ・ベネット博士、そして、ウェンディ・ストーン博士の3名。
第1演者のジェラルディン・ドーソン博士は、現在、自閉症の医学的研究では全米でも第1人者で、政府諮問委員、そして、世界最大の自閉症研究にグラントを出す財団Autism Speaksのリサーチ審査委員長。このAutism Speaksが、先週のIMFAR(国際自閉症学術学会)の開催母体なのです。ですので、ドーソン博士はそこでは開会挨拶をなさいましたので、そこでもお顔を拝見しています。そして今、TEACCH部のあるノースカロライナ大学で、精神科のリサーチ教授もなさっています。若い頃、ショプラー先生やメジボブ教授にこの大学でトレーニングを受けたとかで、戻って来れて感激だとおっしゃっていました。
著作が日本でも訳されています。「自閉症-その本態、診断および治療」
もう情報量が多すぎて、書ききれないので、簡単に。
ドーソン先生のお話では、自閉症研究の最高峰のお話を、手短に、しかし明快に聞くことができました。
①まず、自閉症の原因に関する研究。
・遺伝子研究(いくつかの遺伝子の特定)、遺伝子の変異に関する研究、受精時の遺伝子コピーミスに関わる研究。
・脳機能というより脳細胞やシナプスの違いの話。脳内物質に関わる違いの話。
こういった原因や生物学的違いに関する部分を明確にしていくと、その違いによる発達の違いの表現や脳内物質の違いが、生物学的自閉症マーカーとなり、早期発見が可能になります。
②そこで、次は、早期発見について。
現時点では、ほぼ、生後6ヶ月~11ヶ月までの、行動上の違いによる自閉症マーカーは明確に示され始めています。
生後12ヶ月では、こう違う、とか。このあたりは、書き出すと長くなりすぎるので、何かの機会にご紹介します。
2年前に、全米小児科医学会が2歳までに2回の自閉症チェックをすることを推奨してから、徹底的に研究が進み、現時点では、生後18ヶ月と生後24ヶ月における早期発見ツールも次々と開発され、発表されています。
③早期に発見されたらどうするか。もちろん、早期介入・療育が必要です。
ここも時間をかけて詳しくお話いただいたのですが、かいつまんでお話しすると、早期発見した子どもたちの早期療育後の追跡縦断研究がなされ、発見・療育後も3歳時・6歳時・9歳時・12歳時と追跡して教育効果の違いに関する研究がいくつか行われており、その結果の紹介がありました。
早期療育で自閉症が治るなんてことはないけれど、自閉症の症状の軽減、特に知的レベルや対人関係力は、介入1年後には介入無しの子どもたちよりはその違いは明確に出ていました。脳内のシナプスのバランスよい繋がりが早期介入教育によって促進されることは間違いないのです。予後の状態、成人期の状態をより良いものに保つには、やはり早期療育は重要な鍵になるもののようです。超早期に介入したら、その成果は成人期まで維持できるという証明の研究についても紹介されました。
そして、今では、生後4ヶ月から適用できる早期介入方法も実践研究が進んで、実証が進んでいるということでした。
第2演者のローザ・ベネット博士は、高機能自閉症の人たちにおけるノンバーバルコミュニケーションの難しさについての報告。
そもそも、顔の認知、すなわち、相貌認知の障害を持っている人がとても多いですよね、高機能の人たちって。
それもノンバーバルコミュニケーションのまずさに影響を与えているんです。
しかも、会話で使用される言葉バーバルコミュニケーションと、表情や動作によるノンバーバルコミュニケーションの2つを同時処理するということがいかに難しいか、これも脳科学で証明されていました。言葉だけの処理に、表情の処理が加わると、言葉の処理もそのスピードがスローダウンするということ。
などなど、多数の映像資料を交えてご紹介いただきました。
この件ももっともっと紹介したいことがありますが、この辺で。
第3演者は、ウェンディ・ストーン博士。演題は『早期発見の研究-過去、現在、そして未来』
彼女も、早期発見の第1人者です。RED FLAGというフレームワークで早期発見、24ヶ月未満の発見の研究を非常にプリサイスに行ってこられてます。そしてなんと、ストーン先生も、ノースカロライナ大学が母校で、ここで博士号を取得なさっていたのです。
現時点で判明している超早期発見にかかわる諸情報を詳しくご紹介いただきました。
研修はまだまだ続きます。。
今日食べたもの。ステーキです。
アメリカのステーキはとても美味しいですよ。こちらに来ると、赤身肉がいかに美味しいか、思い知らされます。
霜降りは身体に悪いですね。
上記のステーキで、大体1000~1300円くらいです。
安い!
2009年05月14日
自閉症研究最前線~TEACCH研修2日め
今日は、TEACCH部でのインサービス2日めでした。
40代男性当事者のセッションと、ホームTEACCHingの効果検証研究報告、それと、問題行動への取り組みのための氷山モデルによるアプローチトレーニングの研修。ホームTEACCHingの効果検証については、長年の実践の積上げに基づいた『研究デザイン』の本格的リサーチで、わくわくするものでした。
氷山モデルアプローチによる問題解決アプローチは、スタッフトレーニングやコンサルテーションに使えるストラテジーで、ドイツのアナ・ホイスラーらが開発したものです。アナは、92年留学当時、アッシュビルTEACCHセンターで机を並べて助け合って研修したものでした。週末は一緒に旅行したりして、懐かしいな。その彼女も、いまや2時の母。ドイツで基礎を築き、仲間と自閉症支援機関を設立して、ドイツとスイスを基点にTEACCHの活動をしています。とても勉強になりました。
さて、アッシュビルTEACCHの仲間と記念撮影。昔と変わらず、皆親切。

今日から、高知の守拙ドクターが仲間入り。
みんなで、今度からTEACCH部が配置換えになった、新しい機関の看板を見に行きました。

これです。木々の向こうに見えているのが、前からある、TEACCH部の建物。でもTEACCH部という看板ではなく、

前から、AUTISM Centerです。
この看板は変わらないな。
さて、今日は、守拙ドクターの歓迎晩餐。
ノースカロライナBBQを食べに行きました。

豚なんです。カロライナバーベキューは。豚を丸焼きにしてほぐしたものに、独特のソースをかけて食べます。
煮豆が南部らしいですね。
40代男性当事者のセッションと、ホームTEACCHingの効果検証研究報告、それと、問題行動への取り組みのための氷山モデルによるアプローチトレーニングの研修。ホームTEACCHingの効果検証については、長年の実践の積上げに基づいた『研究デザイン』の本格的リサーチで、わくわくするものでした。
氷山モデルアプローチによる問題解決アプローチは、スタッフトレーニングやコンサルテーションに使えるストラテジーで、ドイツのアナ・ホイスラーらが開発したものです。アナは、92年留学当時、アッシュビルTEACCHセンターで机を並べて助け合って研修したものでした。週末は一緒に旅行したりして、懐かしいな。その彼女も、いまや2時の母。ドイツで基礎を築き、仲間と自閉症支援機関を設立して、ドイツとスイスを基点にTEACCHの活動をしています。とても勉強になりました。
さて、アッシュビルTEACCHの仲間と記念撮影。昔と変わらず、皆親切。
今日から、高知の守拙ドクターが仲間入り。
みんなで、今度からTEACCH部が配置換えになった、新しい機関の看板を見に行きました。
これです。木々の向こうに見えているのが、前からある、TEACCH部の建物。でもTEACCH部という看板ではなく、
前から、AUTISM Centerです。
この看板は変わらないな。
さて、今日は、守拙ドクターの歓迎晩餐。
ノースカロライナBBQを食べに行きました。
豚なんです。カロライナバーベキューは。豚を丸焼きにしてほぐしたものに、独特のソースをかけて食べます。
煮豆が南部らしいですね。
2009年05月13日
自閉症研究最前線~TEACCH研修1日め
今日は、TEACCH部によるInternational Inserviceの第1日目。
受付と看板です。


インサービスは毎朝軽食が出るんです。受付を済ませてから、ウェルカムブレックファーストの会場へ。世界中の仲間たちに再会するひと時。イングランドやデンマークやスウェーデン、ドイツから来た仲間たちから、「Tomoko、杖は?車椅子は?すごい!歩けるじゃない!」と大歓迎してもらいました。手術の効果!歩ける今に、感謝です。佐賀にも来てくれた事のある、テキサスのティシャやイングランドのシャーリーたちもいます。イングランドといえば、デビッド・プリースも健在で参加しています。
数年前に倒れたロジャー(TEACCH部の研修部ディレクター)とも挨拶して、お互いに今、身体が回復し始めていることに感謝しようねって話したところです。

もうとにかく、みんな、久しぶりで嬉しくて、朝ごはんどころじゃありません!
-----
まずは、TEACCHの新しい組織改変について紹介がありました。そう、それいゆも4月に組織改変したんですが、TEACCH部も同じ時期に組織改変なんて、ホントに偶然。TEACCH部は精神科にあったのですが、今度からノースカロライナ大学が新しく設立した、Carolina Institute for Developmental Disabilities の傘下におかれることになったのです。これまでも、そして、これからもTEACCH部の部長はゲーリー・メジボブ教授ですが、このCarolina Institute for Developmental Disabilitiesのディレクターは、ジョゼフ・ピヴン博士です。
それで、今回のインサービスの基調講演はピヴン博士(医学博士)でした。自閉症の脳科学研究・生物学的研究がお得意分野です。
「脳の発達期における自閉症の発現に関する研究はどこまで来たか。乳幼児期の自閉症マーカーを生物学的に探す。その最新情報」というような内容のお話でした。

お話のポイントは、①乳幼児期の脳の発達の様子に自閉症マーカーは見つけられるか ②遺伝子研究によって超早期発見につながる自閉症マーカーが見つかるか。などでした。
研究の始まりは、カナーが自閉症の子どもたちの中には頭が大きい子が多いと記述していることを確認する研究から始まったとのこと。それは、2004年辺りから、頭囲の成長が統計的にも優位に大きくなるという研究がUCSDやその他の大学で次々と発表され、確認されていきました。
そして、現在確認されていることは、これはこの数年の学術発表の復習ともなりますが、
生後6ヶ月までは、頭囲や体積に、のちにASDと診断されるグループと、ASDを持たない障害児(MRとか)グループと、定型発達グループでは、差異はないが、生後6月を超えたところから生物学的な違いが内面で明確に発生し始め、生後12ヶ月ではさまざまな剖検でも臨床でも、各面における違いが明確になっている。ということ。
それらの話が、先週のIMFARでのいくつもの発表と重なるところが多く(当然ですが)、それで生後12ヶ月~18ヶ月での早期発見は可能である(現在でいう‘AS’含む)ということが多くの研究者たちの共通した意見として知られてきているのだとわかります。
遺伝子の活動における自閉症マーカーを追及する研究も、非常に細かく厳密に進んでいることも具体的に説明を受けました。セロトニントランスポーターとか。IMFARでも動物実験の発表は結構あったのですが、なかでもP-10という自閉症に大きく関係している遺伝子を抜いたマウスは社会性が低いということがわかっているとか。数年来話題に上っていた刈り込み遺伝子の起動のことなど。。
現時点における結論としては、
①遺伝子活動の研究と脳の発達超早期における自閉症マーカーが、こうした基礎研究の積み重ねで少しずつ明確になってきていること。
②それら自閉症マーカーを基にして、超早期にハイリスク児を発見しフォローアップし続け、もっと明確な自閉症マーカーをさらに見つけ出すこと。
③超早期にハイリスク児を発見してフォローしながら、よりよい介入をすることで、シナプスのつながりをうまく促進していくと、自閉症状が軽減されるであろう。その方法としては、生後1歳未満あるいは前後であれば、『日々の効果的な教育』が脳の発達に良い影響を与えるであろう。そして、『薬物』も、超早期の脳の適切な発達になんらか寄与する可能性がある。。かも。。。
というお話でした(→通訳のSさんを交えて、夜に復習会をしたのです)。ご講演内容は、具体的データを多数示しながらの、あまりも詳しいお話だったので、これでも詳細は省いています。
-----
また、1~3歳の自閉症の子どもたちに、ジョイントアテンションを伸ばすための教育支援方法のあり方についての報告もありました。TEACCHプレイグループのリーダー、ベスがその実践を報告しました。大変興味深く、うちの2歳児グループ『わくわくキッズ』や『それいゆプリスクール』にも即導入したい内容でした。早く帰りたくなりました。
そのほか、HFAの一般高校での支援法、HFAの一般大学での支援法についての、具体的な方略の報告があり、参考になりました。
-----
また明日が楽しみです。
PCのフォルダの中に、こんな写真を見つけたので、アップ。

3年前に、日本の仲間たちとピヴン先生を尋ねて、特別に2時間の研修会を開いていただいた時の記念撮影です。この特別研修会は、超早期発見のことが知りたいという私たちの願いに応じて、メジボブ先生がセッティングしてくださったのでした。あのとき、ピブン先生は、1歳~4歳という、いわば、手に負えない子どもたちを相手にFMRIを撮る為にじっとしておいてもらうためにはどうすれば良いか、とか、アイトラッキングの研究を乳幼児相手にやるにはスクリーンが興味あるものにしないといけないと、楽しい絵や写真を多数プログラムに組み込むような研究も、主軸研究のサイド研究としてなさっていて、その様子を実際のパソコンやソフトを起動して説明してくださるなど、とても精力的で楽しそうだったことが思い出されます。
そして、とてもやさしい方です。
どんなに科学の粋でカッティングエッジ菜研究をしていても、子どもを子どもとして、人を人としてみるスタンスは決して外さない。その研究者としての姿勢に感銘を受けたものでした。。
受付と看板です。
インサービスは毎朝軽食が出るんです。受付を済ませてから、ウェルカムブレックファーストの会場へ。世界中の仲間たちに再会するひと時。イングランドやデンマークやスウェーデン、ドイツから来た仲間たちから、「Tomoko、杖は?車椅子は?すごい!歩けるじゃない!」と大歓迎してもらいました。手術の効果!歩ける今に、感謝です。佐賀にも来てくれた事のある、テキサスのティシャやイングランドのシャーリーたちもいます。イングランドといえば、デビッド・プリースも健在で参加しています。
数年前に倒れたロジャー(TEACCH部の研修部ディレクター)とも挨拶して、お互いに今、身体が回復し始めていることに感謝しようねって話したところです。
もうとにかく、みんな、久しぶりで嬉しくて、朝ごはんどころじゃありません!
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まずは、TEACCHの新しい組織改変について紹介がありました。そう、それいゆも4月に組織改変したんですが、TEACCH部も同じ時期に組織改変なんて、ホントに偶然。TEACCH部は精神科にあったのですが、今度からノースカロライナ大学が新しく設立した、Carolina Institute for Developmental Disabilities の傘下におかれることになったのです。これまでも、そして、これからもTEACCH部の部長はゲーリー・メジボブ教授ですが、このCarolina Institute for Developmental Disabilitiesのディレクターは、ジョゼフ・ピヴン博士です。
それで、今回のインサービスの基調講演はピヴン博士(医学博士)でした。自閉症の脳科学研究・生物学的研究がお得意分野です。
「脳の発達期における自閉症の発現に関する研究はどこまで来たか。乳幼児期の自閉症マーカーを生物学的に探す。その最新情報」というような内容のお話でした。
お話のポイントは、①乳幼児期の脳の発達の様子に自閉症マーカーは見つけられるか ②遺伝子研究によって超早期発見につながる自閉症マーカーが見つかるか。などでした。
研究の始まりは、カナーが自閉症の子どもたちの中には頭が大きい子が多いと記述していることを確認する研究から始まったとのこと。それは、2004年辺りから、頭囲の成長が統計的にも優位に大きくなるという研究がUCSDやその他の大学で次々と発表され、確認されていきました。
そして、現在確認されていることは、これはこの数年の学術発表の復習ともなりますが、
生後6ヶ月までは、頭囲や体積に、のちにASDと診断されるグループと、ASDを持たない障害児(MRとか)グループと、定型発達グループでは、差異はないが、生後6月を超えたところから生物学的な違いが内面で明確に発生し始め、生後12ヶ月ではさまざまな剖検でも臨床でも、各面における違いが明確になっている。ということ。
それらの話が、先週のIMFARでのいくつもの発表と重なるところが多く(当然ですが)、それで生後12ヶ月~18ヶ月での早期発見は可能である(現在でいう‘AS’含む)ということが多くの研究者たちの共通した意見として知られてきているのだとわかります。
遺伝子の活動における自閉症マーカーを追及する研究も、非常に細かく厳密に進んでいることも具体的に説明を受けました。セロトニントランスポーターとか。IMFARでも動物実験の発表は結構あったのですが、なかでもP-10という自閉症に大きく関係している遺伝子を抜いたマウスは社会性が低いということがわかっているとか。数年来話題に上っていた刈り込み遺伝子の起動のことなど。。
現時点における結論としては、
①遺伝子活動の研究と脳の発達超早期における自閉症マーカーが、こうした基礎研究の積み重ねで少しずつ明確になってきていること。
②それら自閉症マーカーを基にして、超早期にハイリスク児を発見しフォローアップし続け、もっと明確な自閉症マーカーをさらに見つけ出すこと。
③超早期にハイリスク児を発見してフォローしながら、よりよい介入をすることで、シナプスのつながりをうまく促進していくと、自閉症状が軽減されるであろう。その方法としては、生後1歳未満あるいは前後であれば、『日々の効果的な教育』が脳の発達に良い影響を与えるであろう。そして、『薬物』も、超早期の脳の適切な発達になんらか寄与する可能性がある。。かも。。。
というお話でした(→通訳のSさんを交えて、夜に復習会をしたのです)。ご講演内容は、具体的データを多数示しながらの、あまりも詳しいお話だったので、これでも詳細は省いています。
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また、1~3歳の自閉症の子どもたちに、ジョイントアテンションを伸ばすための教育支援方法のあり方についての報告もありました。TEACCHプレイグループのリーダー、ベスがその実践を報告しました。大変興味深く、うちの2歳児グループ『わくわくキッズ』や『それいゆプリスクール』にも即導入したい内容でした。早く帰りたくなりました。
そのほか、HFAの一般高校での支援法、HFAの一般大学での支援法についての、具体的な方略の報告があり、参考になりました。
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また明日が楽しみです。
PCのフォルダの中に、こんな写真を見つけたので、アップ。
3年前に、日本の仲間たちとピヴン先生を尋ねて、特別に2時間の研修会を開いていただいた時の記念撮影です。この特別研修会は、超早期発見のことが知りたいという私たちの願いに応じて、メジボブ先生がセッティングしてくださったのでした。あのとき、ピブン先生は、1歳~4歳という、いわば、手に負えない子どもたちを相手にFMRIを撮る為にじっとしておいてもらうためにはどうすれば良いか、とか、アイトラッキングの研究を乳幼児相手にやるにはスクリーンが興味あるものにしないといけないと、楽しい絵や写真を多数プログラムに組み込むような研究も、主軸研究のサイド研究としてなさっていて、その様子を実際のパソコンやソフトを起動して説明してくださるなど、とても精力的で楽しそうだったことが思い出されます。
そして、とてもやさしい方です。
どんなに科学の粋でカッティングエッジ菜研究をしていても、子どもを子どもとして、人を人としてみるスタンスは決して外さない。その研究者としての姿勢に感銘を受けたものでした。。
2009年05月12日
ちょっと休養の一日
今日は、これから4日間続く研修の前日。午前中は身体を休めて、お昼に、大分のミケダドクターが到着予定だったので、空港までレンタカーでお迎えに行きました。
ミケダドクターは、私たちより1週間早くTEACCHに来て、1週間、シャーロットTEACCHセンターで見学研修を受けておられました。昨年夏、ミケダドクターは、佐賀で行われたTEACCH5デイトレーニングを受講なさっており、そのつながりで今回の1週間研修でしたので、シャーロットTEACCHのスタッフも歓迎され、1週間充実した研修をなさっていたようです。
夕方、チャペルヒルは初めて、とおっしゃるミケダドクターをお連れし、一行4人で、ちょっとしたキャンパス観光を。
英語圏の古い大学には必ずある、時を刻むベルタワー。ちゃんと生きて仕事しているので、時折、ベルが聞こえます。

200年以上前大学創立当初からの名所=オールドウェル

その後、S先生が興味を持たれていたアトランティックオーシャンで獲れたシーフードを食べさせる店で、晩御飯。
そこでの名物は、クラブケーキ(蟹料理)。写真はミケダ先生ご注文。

私はなんだか食欲がなく、サラダだけにしました。やっぱりまだ本調子じゃないなぁ。
シカゴでがんばった疲れか、みんな早く眠くなったので、今日は早めにお開き。
明日からの研修に備えて、脳みそを休めましょう。
ミケダドクターは、私たちより1週間早くTEACCHに来て、1週間、シャーロットTEACCHセンターで見学研修を受けておられました。昨年夏、ミケダドクターは、佐賀で行われたTEACCH5デイトレーニングを受講なさっており、そのつながりで今回の1週間研修でしたので、シャーロットTEACCHのスタッフも歓迎され、1週間充実した研修をなさっていたようです。
夕方、チャペルヒルは初めて、とおっしゃるミケダドクターをお連れし、一行4人で、ちょっとしたキャンパス観光を。
英語圏の古い大学には必ずある、時を刻むベルタワー。ちゃんと生きて仕事しているので、時折、ベルが聞こえます。
200年以上前大学創立当初からの名所=オールドウェル
その後、S先生が興味を持たれていたアトランティックオーシャンで獲れたシーフードを食べさせる店で、晩御飯。
そこでの名物は、クラブケーキ(蟹料理)。写真はミケダ先生ご注文。
私はなんだか食欲がなく、サラダだけにしました。やっぱりまだ本調子じゃないなぁ。
シカゴでがんばった疲れか、みんな早く眠くなったので、今日は早めにお開き。
明日からの研修に備えて、脳みそを休めましょう。
2009年05月11日
TEACCH部のあるチャペルヒル
今日、シカゴからチャペルヒルに移動しました。
チャペルヒルは、ノースカロライナ大学チャペルヒル校の卒業式が行われていて、初夏の明るいキャンパスが、いつにもまして華やかでした。
チャペルヒルは、A piece of Heven (天国のひとかけら)と呼ぶ人がいるほど、美しい街です。大学都市なのですが、森に囲まれています。ノースカロライナ大学のキャンパスもまた、映画「パッチ・アダムス」の医学部キャンパスの撮影現場として選ばれたほど、昔ながらのアメリカの良さと建物の美しさ、大学キャンパスの美しさで有名です。
私は自閉症に関わって30年を過ぎましたが、TEACCHに関わってすでに20年(実践開始したときから数えて)。TEACCH部に留学したのが92~93年。そして、TEACCH部に毎年再研修に来るようになりましたが、この美しい街で、私の人生を変えるような出会いが多数あったなと、いろいろしみじみと思い出されてきます。
お亡くなりになった偉大な指導者エリック・ショプラー先生、ずっと私の人生の師であり続けてくださっているゲーリー・メジボブ先生、今は他の大学で大活躍しておられるキャサリン・ロード先生にはADOSの初期の研究段階をグリーンビルTEACCHセンターで行っておられ、研修を受けさせていただきましたね。また、親の会を大切に育てていくことの重要性を教えてくださったマリー・ブリストル先生、その後ずっと佐賀に来てもらうことになったジャック・ウォール先生やその仲間たち。親しく付き合ってくれたキャシー、セーラ、ほか、トレーナーたち。。
この出会いの奇跡の中で、彼らの誰ひとりが欠けていても、今の私は無かったと思います。
もちろん、TEACCHの先生方だけじゃなく、日本の地元の多くの友人・同僚たちも同じく、私の人生に大きな影響を与えてくれました。どの一人の人とも大切な思い出があります。
なかでも、TEACCHの人たちからは、『指導者は人格を高潔に保たなくてはならない。自分で自分の人間を磨くべきだ』という点を、強烈に学んだと思います。
自分がそれを実践できているとの自信はありませんが、たしかに、努力は続けてきたつもりです。が、まだまだ未熟な自分を思い知らされることが多いです。
この地に来ると、いつもそのことを初心に帰るような気持ちで思い出され、胸がきゅんとします。
また気を引き締めてがんばろうっと。
チャペルヒルは、ノースカロライナ大学チャペルヒル校の卒業式が行われていて、初夏の明るいキャンパスが、いつにもまして華やかでした。
チャペルヒルは、A piece of Heven (天国のひとかけら)と呼ぶ人がいるほど、美しい街です。大学都市なのですが、森に囲まれています。ノースカロライナ大学のキャンパスもまた、映画「パッチ・アダムス」の医学部キャンパスの撮影現場として選ばれたほど、昔ながらのアメリカの良さと建物の美しさ、大学キャンパスの美しさで有名です。
私は自閉症に関わって30年を過ぎましたが、TEACCHに関わってすでに20年(実践開始したときから数えて)。TEACCH部に留学したのが92~93年。そして、TEACCH部に毎年再研修に来るようになりましたが、この美しい街で、私の人生を変えるような出会いが多数あったなと、いろいろしみじみと思い出されてきます。
お亡くなりになった偉大な指導者エリック・ショプラー先生、ずっと私の人生の師であり続けてくださっているゲーリー・メジボブ先生、今は他の大学で大活躍しておられるキャサリン・ロード先生にはADOSの初期の研究段階をグリーンビルTEACCHセンターで行っておられ、研修を受けさせていただきましたね。また、親の会を大切に育てていくことの重要性を教えてくださったマリー・ブリストル先生、その後ずっと佐賀に来てもらうことになったジャック・ウォール先生やその仲間たち。親しく付き合ってくれたキャシー、セーラ、ほか、トレーナーたち。。
この出会いの奇跡の中で、彼らの誰ひとりが欠けていても、今の私は無かったと思います。
もちろん、TEACCHの先生方だけじゃなく、日本の地元の多くの友人・同僚たちも同じく、私の人生に大きな影響を与えてくれました。どの一人の人とも大切な思い出があります。
なかでも、TEACCHの人たちからは、『指導者は人格を高潔に保たなくてはならない。自分で自分の人間を磨くべきだ』という点を、強烈に学んだと思います。
自分がそれを実践できているとの自信はありませんが、たしかに、努力は続けてきたつもりです。が、まだまだ未熟な自分を思い知らされることが多いです。
この地に来ると、いつもそのことを初心に帰るような気持ちで思い出され、胸がきゅんとします。
また気を引き締めてがんばろうっと。
2009年05月10日
国際自閉症学術学会IMFAR in シカゴ
今週後半は、シカゴで行われた、第8回IMFAR(国際自閉症学術学会)に参加していました。
医療・心理などのさまざまな分野の、さまざまな国からの研究発表が行われる学会で、世界中の名だたる研究者のほとんどが集まり、自閉症研究の最新情報が集結しています。
遺伝子研究、脳機能研究、超早期発見について、自閉症とADHD、また、薬物についてなどなど、本当に数々の研究発表が3日間にわたって行われました。
今回は、改訂検討がほぼ最終段階に進んでいるDSM‐Ⅴについての報告もありました。
DSM-Ⅴでは、間違いなく、PDDNOSはなくなるだろうし、ほぼ確実にアスペルガー障害の区別無く、トータルでASDという診断の括りになる方向で進んでいると、検討委員会の代表者が断言していました。PDDNOSを無くし、アスペルガー障害と自閉症の区別をなくそうという議論は前からありましたが、こんなにきっぱりと明言されたのは初めてでした。ただ、最終段階に来たとはいえ、まだ期間があるので、この後マイナーな変更が無いとは限らないともおっしゃいました。しかし、この会議の席での公式なお話ですから、ほぼ間違いないのでしょう。
ASDとADHDなどの合併診断も、DSM-Ⅳ-TRでは認められていませんが、DSM‐Ⅴでは認められる可能性が非常に高まっているとのことでした。
早期発見では、生後12ヶ月での発見が主流のようでした。いくつかのツールが開発されていて、それらにおいては生後12ヶ月でハイリスクが認められた子達の確定診断率が大変上がっていて、12ヶ月での発見はほぼ確実だという話のようでした。いくつかの地域のいくつかの機関が同じ内容の研究を発表していたので、ほぼ常識的に広がってきているようです。2年前に全米小児科医学会が、生後24ヶ月(2歳)までに2回の自閉症のチェックをするようにと勧告を出したので、そのことも影響して研究が進んだようです。
-------
今年は、なんと、新型インフルエンザの件で、ご一緒する予定だった方々のうち8名までもが直前でキャンセルされました。私たちとは別のグループの日本の方々も、多くがキャンセルなさったようでした。
それでも一緒にやってきた川崎医療福祉大学の重松先生やおしまコロニーの高橋ドクターらと、楽しい研修ができました。
私も一応、マスクは使い捨てにできるように日数以上分と、滅菌シート、うがい薬、体温計など、普段の渡航よりずっとずっと医薬品・衛生用品に関しては重装備で来ました。それでも、こちらに来てみたら、マスクはしないでくれ、マスクをしていると保菌者のようで周囲の人の恐怖心を煽るからと言われ怖がられます。そう言われるとマスクをすることもできません。
その代わり、手洗いとうがいは徹底して励行しています。
シカゴでの3日間の研修を終えて、これからノースカロライナに移動します。私は、毎年5月にTEACCH部に戻って再研修を受けるようにしています。1年に2回以上は本物に触れていないと、慣れは誤学習や自己流を生みますから、その予防です。今年もまた自分を洗い直してきます。
医療・心理などのさまざまな分野の、さまざまな国からの研究発表が行われる学会で、世界中の名だたる研究者のほとんどが集まり、自閉症研究の最新情報が集結しています。
遺伝子研究、脳機能研究、超早期発見について、自閉症とADHD、また、薬物についてなどなど、本当に数々の研究発表が3日間にわたって行われました。
今回は、改訂検討がほぼ最終段階に進んでいるDSM‐Ⅴについての報告もありました。
DSM-Ⅴでは、間違いなく、PDDNOSはなくなるだろうし、ほぼ確実にアスペルガー障害の区別無く、トータルでASDという診断の括りになる方向で進んでいると、検討委員会の代表者が断言していました。PDDNOSを無くし、アスペルガー障害と自閉症の区別をなくそうという議論は前からありましたが、こんなにきっぱりと明言されたのは初めてでした。ただ、最終段階に来たとはいえ、まだ期間があるので、この後マイナーな変更が無いとは限らないともおっしゃいました。しかし、この会議の席での公式なお話ですから、ほぼ間違いないのでしょう。
ASDとADHDなどの合併診断も、DSM-Ⅳ-TRでは認められていませんが、DSM‐Ⅴでは認められる可能性が非常に高まっているとのことでした。
早期発見では、生後12ヶ月での発見が主流のようでした。いくつかのツールが開発されていて、それらにおいては生後12ヶ月でハイリスクが認められた子達の確定診断率が大変上がっていて、12ヶ月での発見はほぼ確実だという話のようでした。いくつかの地域のいくつかの機関が同じ内容の研究を発表していたので、ほぼ常識的に広がってきているようです。2年前に全米小児科医学会が、生後24ヶ月(2歳)までに2回の自閉症のチェックをするようにと勧告を出したので、そのことも影響して研究が進んだようです。
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今年は、なんと、新型インフルエンザの件で、ご一緒する予定だった方々のうち8名までもが直前でキャンセルされました。私たちとは別のグループの日本の方々も、多くがキャンセルなさったようでした。
それでも一緒にやってきた川崎医療福祉大学の重松先生やおしまコロニーの高橋ドクターらと、楽しい研修ができました。
私も一応、マスクは使い捨てにできるように日数以上分と、滅菌シート、うがい薬、体温計など、普段の渡航よりずっとずっと医薬品・衛生用品に関しては重装備で来ました。それでも、こちらに来てみたら、マスクはしないでくれ、マスクをしていると保菌者のようで周囲の人の恐怖心を煽るからと言われ怖がられます。そう言われるとマスクをすることもできません。
その代わり、手洗いとうがいは徹底して励行しています。
シカゴでの3日間の研修を終えて、これからノースカロライナに移動します。私は、毎年5月にTEACCH部に戻って再研修を受けるようにしています。1年に2回以上は本物に触れていないと、慣れは誤学習や自己流を生みますから、その予防です。今年もまた自分を洗い直してきます。
2009年05月09日
社会復帰!
4月は検査に継ぐ検査で、隅から隅まで調べてもらいました。結果は、あと1つを残して全部わかりました。いくらかのフォローアップが必要な程度で、あとは、リハビリを再度がんばらないといけないというところです。
5月のGWは、少し休憩ができ、気持ちに余裕が少しだけできたというか。
ホント4月からこっち、実に、2年以上ぶりの現場での仕事をたくさんこなしています。去年までも、クライアントさんも持っていたし、講演などはさせていただいていたんですが、痛みと付き合う生活が中心で、センター長もOさんに譲っていました。なので、現場のこと、物品購入の手続きが変更になっていたこととか、ほとんど知らなかったです。
現場に戻ってみると、スタッフが良く育ってました。Oさん、Mさん、これまで本当にありがとう。一人ひとりのスタッフのがんばりように、お二人がよくよくがんばってこられたことがわかります。感謝しています。
さて、今、統括ディレクターとして復帰して、そういうデスクワークも毎日こなし、日々、社会復帰 を実感する毎日です。手術して 痛みとおさらばで来ました。リハビリは続いていて大変ではありますが、この年になっての社会復帰は新鮮な気持ちで迎えています。
引退の文字もちらつく年齢に近づきつつあり、犬と動物愛護の方にも力を入れつつありますが、九州おばさんは、もう少しだけ、現場でがんばらないといけないみたいです(笑)。
今回の『社会復帰』にちなみ、ブログタイトルを変更しています。
今後とも、どうぞよろしくお願いします。
*まだまだ身体が本調子ではありませんので、ブログ更新がやっとです。
コメントいただくと嬉しいですが、お返事できませんことをご理解くださいね。
5月のGWは、少し休憩ができ、気持ちに余裕が少しだけできたというか。
ホント4月からこっち、実に、2年以上ぶりの現場での仕事をたくさんこなしています。去年までも、クライアントさんも持っていたし、講演などはさせていただいていたんですが、痛みと付き合う生活が中心で、センター長もOさんに譲っていました。なので、現場のこと、物品購入の手続きが変更になっていたこととか、ほとんど知らなかったです。
現場に戻ってみると、スタッフが良く育ってました。Oさん、Mさん、これまで本当にありがとう。一人ひとりのスタッフのがんばりように、お二人がよくよくがんばってこられたことがわかります。感謝しています。
さて、今、統括ディレクターとして復帰して、そういうデスクワークも毎日こなし、日々、社会復帰 を実感する毎日です。手術して 痛みとおさらばで来ました。リハビリは続いていて大変ではありますが、この年になっての社会復帰は新鮮な気持ちで迎えています。
引退の文字もちらつく年齢に近づきつつあり、犬と動物愛護の方にも力を入れつつありますが、九州おばさんは、もう少しだけ、現場でがんばらないといけないみたいです(笑)。
今回の『社会復帰』にちなみ、ブログタイトルを変更しています。
今後とも、どうぞよろしくお願いします。
*まだまだ身体が本調子ではありませんので、ブログ更新がやっとです。
コメントいただくと嬉しいですが、お返事できませんことをご理解くださいね。
2009年05月02日
自閉症のアセスメント ~それいゆ初心者コース
今日は、それいゆ初心者コース③の「アセスメント」について、お話させていただきました。
最新情報も入れながら。
特に、PEP3とTTAPが開発されてから、芽生え反応についても、IEP立案の観点から新しい定義が入っています。
講義を受けることができた方はラッキー! その話が聞けたからね。
残念ながら受けることができなかった方は、ぜひ、「PEP3研修会」をお受けになるか、10月末のメジボブ教授のTEACCH2デイ基礎講座をお受けになることをおススメします。
午後は構造化の講義を、それいゆCFOの小林がいたしました。
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初心者コースに戻って来れたなんて、私も本当に、現場復帰しつつあるんだな。
少し、嬉しかったです。
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夜は、仲間内で食事会。
やっぱり友達って良いものですね。年取ってくると、余計に、友達がありがたく感じるものですね。
最新情報も入れながら。
特に、PEP3とTTAPが開発されてから、芽生え反応についても、IEP立案の観点から新しい定義が入っています。
講義を受けることができた方はラッキー! その話が聞けたからね。
残念ながら受けることができなかった方は、ぜひ、「PEP3研修会」をお受けになるか、10月末のメジボブ教授のTEACCH2デイ基礎講座をお受けになることをおススメします。
午後は構造化の講義を、それいゆCFOの小林がいたしました。
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初心者コースに戻って来れたなんて、私も本当に、現場復帰しつつあるんだな。
少し、嬉しかったです。
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夜は、仲間内で食事会。
やっぱり友達って良いものですね。年取ってくると、余計に、友達がありがたく感じるものですね。
2009年05月01日
隅々まで検査
GW前は、毎日毎日、本当に連日、精密検査でした。
文字通り、隅からスミまでの精密検査が終わりました。最終結果は2つを残し、全部わかりました。フォローアップモニターの必要なものもありますが、現時点では、深刻ではありません。そもそも、身障だからね、整形外科的にはずっと通院しなkればなりません。その上、いくつかモニターが始まるというわけ。年齢を考えたら仕方ありませんね。おまけに歯科通院も(^^)。身体とは上手に付き合っていかなくちゃ。
ようやく終わって、GWです。
仕事を抱えながらですが、少しは休めるかな。
文字通り、隅からスミまでの精密検査が終わりました。最終結果は2つを残し、全部わかりました。フォローアップモニターの必要なものもありますが、現時点では、深刻ではありません。そもそも、身障だからね、整形外科的にはずっと通院しなkればなりません。その上、いくつかモニターが始まるというわけ。年齢を考えたら仕方ありませんね。おまけに歯科通院も(^^)。身体とは上手に付き合っていかなくちゃ。
ようやく終わって、GWです。
仕事を抱えながらですが、少しは休めるかな。