*服巻智子への講演依頼は以下の方法で!

<< 服巻智子への講演・機関コンサルテーション申込方法! >>

服巻智子への講演依頼および機関コンサルテーション依頼は、下記のメールアドレスよりお問合せいただくか、申込用紙をダウンロードしてファックスするか、どちらかの方法を選択してお申込みください。メールの場合も、下記のPDFの申込用紙をダウンロードして申込み時に必要な内容・情報をご確認ください。

お問合せ先 kouenirai_tomoko@yahoo.co.jp

*1週間以内に返信が無い場合は、再度メールください。
なお、個別相談はメールでは受け付けておりません。ご理解のうえ、ご了承くださいませ。

講演依頼様式のダウンロード (PDFファイル)

FAX送信先 0952-32-2105 *受付時間9:00~17:00の時間内にご送信下さい


2008年07月04日

ASDの成人支援~キムの場合

茂木さんは、フジテレビの『ベストハウス123』で自閉症の人たちのうち、特殊な才能を持つサヴァン症候群の人たちを紹介しながらも、佐賀にいる間の番組予告として、生活や支援は大変だろうということもきちんとお話されていた。つまり、類まれな才能を持ちながらも障害があるということの人生に与える影響の別の部分もきちんと見ておられた。


番組の中ではその趣旨から外れるからだろうが、言及されなかったことが多数あったのだ。


私は支援者としては、ベストハウス123で紹介されたキム・ピークの今の生活実情が、実はかなり衝撃的だった。

今のアメリカで、80代の親と二人きりの生活を送るなんて、どうしてそんなことになったのだろうか?

直ちにノースカロライナやニューヨーク、カリフォルニアの自閉症領域の支援のプロたちにメールした。私にキムが住んでいるユタ州には知人がいなかったので実情はわからないが、彼らも「Quite a strange story 奇妙だ」と口を揃えた。

なぜいまだに親と暮らしているのだろう?
親と暮らしていることがQOLの高さの証明とはならないからだ。

それは、父親フランの決断なのだろうか、ケースマネージャーたちはどういう判断をしているのだろう?
キム本人も望んだのだろうが、変化への対応が苦手な自閉症の人たちは、年をとれば取るほど、さらに実行機能障害の度合いは増し、親の老化も大きな変化の一部となるから、QOLの維持のためにも変化への苦痛を減らすためにも、客観的判断もアメリカでは重要視されるものだ。本人と家族のエイジングを意識した自閉症の成人支援は、それなりの観点を持って決断される必要があるのだ。

それでも、この方が幸せと判断されたのならば、それはどの機軸によってだろうか。

『レインマン』でも、家族愛で一緒に暮らすより、離れて暮らす方がお互いの幸せと決断されたのだったが。もちろん、むしろ、レイモンドのため、と、判断がなされたのだった。
『レインマン』のレイモンドも、母の死によって、そして再び、父の死によって、人生が大きく変わってしまったのだ。



お互いの幸せとは?




家庭訪問支援はどのくらいの頻度なのだろう?

キム・ピークとフラン・ピークの場合は、アメリカ国内の事例としては珍しくはないだろうか。

それとも、そうではないのだろうか。

少なくとも、毎年ノースカロライナに行くついでにあちこちの州を見て回っている私の目には、衝撃的な事実ではあった。

ユタ州の制度はどうなっているのだろうか。






同じカテゴリー(ASDの話)の記事画像
アダムADAM
同じカテゴリー(ASDの話)の記事
 ASDの指 (2009-10-16 17:13)
 13歳の少女の思い (2009-08-04 20:17)
 般化は弱点なんです (2009-08-04 09:45)
 魔女の宅急便と修行 (2009-08-01 07:07)
 アダムADAM (2009-07-29 08:19)
 The Best House 123(フジTV) (2008-07-03 08:35)

Posted by Tomoko at 20:18│Comments(5)ASDの話
この記事へのコメント
「リアル・レインマン 『レインマン』のモデルになった僕」
2008年8月22日発売予定のDVDです。
すでにNHKで放送されたものなので先生もご覧になったかもしれません。

NHKで「脳の力 ~記憶力の天才たち~」という題名で放送、大きな反響を呼び、再放送もされるほどの話題となったドキュメンタリー。キムを支える家族や、彼が講演を通じて知り合った人々との触れ合いを描いた感動ドキュメンタリー。
Posted by フシギ君の母 at 2008年07月16日 23:25
私は現在ノースカロライナ州のティーチセンターでインターンとして勉強中です。
数週間前にあるTVの特集番組でユタ州の家族が紹介されたらしく、センターの方たちがその話題でもちきりでした。6人(!)の子供が程度の差はあれ全員自閉症の診断を持っている家族。その生活風景がセンセーショナルにとりあげられたからだそうです(私は見ていません)。

どう見ても、療育などを受けている様子のない子供たちを目の前に「何があったか言ってごらん!」と何度も詰問を繰り返すお母さんの姿が映し出され、レポーターは「自閉症のこどもたちは模倣ができません」「この子供たちは人間の社会生活からは隔絶されています」等々驚くべき発言をしたそうです。このニュースの話は本当に私にはショックで、センターの方にもそれは同様のショックだったようでした。アメリカ社会の多様性、というのはこういう社会システムの地域格差にも反映しているのでしょうか。
Posted by こさか しよこ at 2008年10月19日 00:36
■こさかしよこ様
キムの番組が放送されたあとで、少し調べてみたんですが、ユタ州は宗教の関係からか、他地域とは文化が異なるところがあるそうです。ユタ州独特の地域文化があるようだ、と、アメリカの知人が言っていました。
東海岸・西海岸はほとんどの州がいろんな面で同じ程度には進んでいるようですよ。
Posted by Tomoko先生Tomoko先生 at 2008年10月23日 08:37
ノースカロライナノースカロライナと言ってますが、ノースカロライナの大学で起きた韓国人留学生の大学校内無差別乱射事件は高機能自閉症者だったとアメリカ在住者から聞きました。支援とか無かったんじゃないでしょうか
Posted by サカナタカナ at 2009年09月08日 16:03
サカナタカナ様
あの事件は、ヴァージニアでしたよ。
それと、彼はヴァージニアのカレッジに入るまでは、小学生で米国に移住して以降ずっとニューヨークで家族と一緒に暮らしていたようですよ。
Posted by TomokoTomoko at 2009年09月10日 06:40
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。